九州青年美術公募展で文部科学大臣賞を受賞した原田真花さんの作品「領域」=大分市上野の市美術館
【大分】大分市上野丘東の芸術緑丘高美術科3年の原田真花(みはな)さん(17)が「第49回九州青年美術公募展」で最高賞の文部科学大臣賞を受賞した。受賞作の「領域」はニホンオオカミの家族を題材に人と自然の関わり方を問いかける100号の大作。「目立つ作風ではないと思っていただけに評価されうれしい」と喜んでいる。
39歳以下の若手芸術家の育成を目指し、福岡県の大牟田市文化振興財団が開く公募展。九州各県などから94点の応募があった。
原田さんは、毒を持つ彼岸花の群生を人間が「越えてはならない境界」に見立て、その中で戯れるニホンオオカミの家族を描いた。明治時代の乱獲によって絶滅したとされる歴史を踏まえ、「私たちは自然に生かされていることを忘れず、適切な距離感で付き合っていかなければ」というメッセージを込めたという。
アクリル絵の具やパステルを使い、ふわふわとした毛並みや体温、匂いまで伝わるよう3カ月かけて丁寧に描き込んだ。これまで人物画が中心で動物を描くのに不安もあったが、「人も動物も永遠に生きられない。いつかは消えてしまう命のはかなさを表現したい」とあえてチャレンジした。
美術科の汐月顕教諭は「優しい色使いの中に親子の愛情や命の気配が感じられる。審査でも明確なテーマ性や独創的な世界観が評価された」とたたえる。
同じ志を持つ美術科の仲間と刺激し合い、高め合えたことが制作の励みになったと振り返る。来春からは広島市の大学に進み、プロを目指す。「自分にしかない魅力を追求してアーティストとして成長するのが目標。見た人の心が安らかになるような絵を描きたい」と夢を膨らませる。
受賞作は大分市美術館(同市上野)の「第77回県立芸術緑丘高校美術制作展」で21日まで展示している。無料。