煙が上がる蔦島に上空から放水する自衛隊のヘリコプター=21日、大分市佐賀関
大分市佐賀関の大規模火災は発生から4日目の21日も現場で消火活動が続いた。県災害対策本部会議で佐藤樹一郎知事は延焼が拡大した要因は「強風のためだ」と強調。出火当時に「風速15メートルの風が吹いていた」との見方を示し、国に自然災害として認定するよう求める考えを明らかにした。
県によると、自然災害になれば被災者生活再建支援法が適用され、住宅被害を受けた人は最大300万円の支援金を受けられる。生じた廃棄物の処理でも費用の補助がある。
2016年に起きた新潟県糸魚川市の大規模火災では国が「風害」に当たると判断し、同法を火災に初めて適用した。今回認められれば、松江市の大規模火災(21年)、岩手県大船渡市の山林火災(25年)に続き4例目になる。
佐藤知事は「沖合約1・5キロの蔦(つた)島まで飛び火した状況から風速を推測できる。強風で広範囲に延焼したと国に説明したい」と述べた。
大分市消防局によると、住宅地や山林では延焼の恐れがほぼない「鎮圧状態」になったものの、鎮火の見通しは立っていない。延焼が続いている蔦島の上空では21日もヘリコプターが上空から放水を繰り返した。
県は焼け跡から見つかった遺体について、連絡の取れていなかった男性(76)と特定したと発表した。DNA型鑑定で判明した。
佐賀関市民センターには69世帯108人(21日正午時点)が身を寄せている。県などは「みなし仮設住宅」として使える賃貸住宅や、ホテル客室の確保を進めている。民間企業からは社宅提供の申し出もあり、被災者の希望を聞き取りながら入居先を調整する。
被災地には規制線が張られ、立ち入りができない状況が続く。市は22、23の両日、避難者をマイクロバスで焼失エリアまで輸送する。警察官らも同行し、安全を確保した上で自宅の状況を確認してもらう。
市は21日、佐賀関市民センター2階に総合窓口「市民サポートセンター」を開設した。被災者の生活再建に向け、各種手続きや相談などに対応する。
火災は18日午後5時40分ごろ発生。住宅地や山林計約4万8900平方メートルを焼いた。