本番に向け練習にいそしむ日田祇園囃子保存会の会員ら=日田市日ノ出町
【日田】約300年続く日田市の伝統行事「日田祇園」(26、27日)を前に、各町で山鉾(やまぼこ)の組み立てや飾り付けといった準備作業が本格化している。笛、太鼓、三味線の演奏で山鉾巡行に不可欠な日田祇園囃子(ばやし)保存会(小松史郎会長、約60人)の練習にも熱がこもり、本番に向けて気持ちを高めている。
囃子の曲目は江戸から昭和初期に流行した端唄、俗曲をアレンジして日田の庶民が生み出した幽玄な調子となっている。
10日夜は同市日ノ出町の会員宅に9人が集まり、何度も演奏を繰り返した。5月下旬から週3回、約2時間の練習を重ねており、三隅靖祥(のぶよし)さん(54)=飲食業=は「竹でできた手作りの笛や独特の音色が特徴。山鉾を盛り上げたい」と意気込む。
同保存会の宮崎正憲副会長(67)=木工業=は友人の勧めで笛を始め、45年以上のベテランとなった。「練習を続けて体力をつけないと本番の暑さを乗り切れない。音色で魅了するつもりで演奏するので、楽しんでほしい」と話している。
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日田祇園の曳山(ひきやま)行事(ユネスコ無形文化遺産)は、日田市内の隈・竹田、豆田の両地区で開催される。山鉾の運行状況は専用サイトから確認できる。20日は午後6時半から、8基の山鉾がJR日田駅前広場に集まる集団顔見世(かおみせ)がある。