就職体験談 国東高電子機械科を卒業した津崎颯斗さん
国東高電子工業科を3月に卒業した津崎颯斗(はやと)さん(18)は、地元国東市安岐町に工場がある産業用パソコン機器会社「インタフェース大分事業所」へ就職する。中学生の頃から「将来は地元で働きたい」との思いを持ち、高校では資格取得に励んだ。その成果を就職試験でアピールし、希望の進路を達成した。
■六つの資格取得をアピール
津崎さんは幼い頃からものづくりが好き。プラモデルの組み立てや段ボールで模型を作ることに熱中していたという。国東中2年で将来の進路を考え始めた頃から「自宅から通える職場で働きたい」と思うようになった。ものづくりへの関心を生かそうと、地元の国東高電子工業科に進んだ。
高校では1年から就職に向けて積極的に動いた。1年の時、電子工業科でインタフェース大分事業所へ見学に行き「こんなところで働いてみたい」と感じた。2年では同事業所の企業説明会に参加。社員から詳しく話を聞き「やりたいことができるし雰囲気もいい。やっぱりここだ」と気持ちが固まったという。
就職に向けて資格取得にも力を入れた。実技試験がある資格は放課後の学校で練習した。その結果、第2種電気工事士など電気機械関係の六つの資格を取り、就職試験のアピール材料にした。
具体的な就職試験対策を始めたのは3年の1学期後半から。履歴書の作成から始め、夏休みに入ると志望理由づくり、面接練習と続いた。インタフェースの就職試験は9月にスタート。1次は作文と面接。通過すると、10月に2次面接があり、内定が出るスケジュール。これまで受験した先輩の受験報告書を見て、作文や面接でどんなことが聞かれるのかを調べて用意した。
作文の試験は1時間の制限時間に、与えられたテーマについて1600字でまとめる。過去の試験で出題されたテーマに沿って作文を書き、教師に提出してアドバイスをもらった。最初のうちはどう書いていいか分からず1時間以内に書き上げることも難しかった。添削指導を繰り返し受ける中で力が付き、試験本番はすらすら書くことができたという。
面接の練習は30回以上も取り組んだ。友達相手に練習することも。相手にどう伝わるかということを意識しながら、ゆっくりハキハキと分かりやすく話すことを心がけた。練習をするたびに、自信が付いてきたという。
■ソフトウエア製品の生産にも携わる
就職試験を受ける際、頼りになったのは家族の存在だ。「親は人生の先輩。偉大な存在だと感じた」。勤務条件など分からないことがあると積極的に相談した。「今度は働いて恩返しをしたい」と感謝する。
高校生活の一番の思い出は電子工業科19人とのクラスマッチでは結束し、文化祭では作品制作や劇に力を合わせた。「クラスみんなで盛り上がり、充実した楽しい時間だった。国東高に来てよかった」と振り返る。
入社後は、工場で産業用パソコンやソフトウエア製品の生産に携わる。「難しいこともあるかもしれないが、早く作業をテキパキとこなせるようになりたい」と意欲は満々だ。これからは社会人として、国東市を支えていくつもりだ。