【明豊－鶴城】７回表２死二塁、井上が中前に適時打を放つ＝別大興産スタジアム
第１５６回九州地区高校野球大会県予選最終日は５日、別大興産スタジアムで決勝があった。打線が爆発した明豊が１５―６で粘る鶴城を下し、２季連続２２回目の優勝を決めた。
明豊は選抜出場の柳ケ浦（推薦）と共に、１９日に長崎県で開幕する本大会に臨む。
【評】２２安打１５得点と打線がつながった明豊が粘る鶴城を突き放し、王座に輝いた。
明豊は１点を追う四回、２死から下位の４連打で逆転に成功。１点差に迫られた六回には加納、上野、井上の３連続二塁打などで突き放し、大勢を決めた。
鶴城は初回に保田の適時打で先制。中盤以降も粘りを見せたが、投手陣が踏ん張れなかった。
▽決勝
明豊
０００２３５５００｜１５
１０００３０２００｜６
鶴城
■明豊、２巡目の四回に口火
王者が貫禄を示した。昨秋の新チーム発足から県内公式戦で負けなしの明豊が、大量１５得点で九州切符をつかんだ。主将代理の岡田晴樹（３年）は「（例年より）力がないと言われ続けてきたチーム。結果以上に、気持ちの強さを示せたことがうれしい」と素直に喜びをかみしめた。
打線に火が付いたのは、２巡目に入った四回だった。浮き上がるような変化球を打ちあぐねる中、川崎絢平監督は「上からかぶせてたたけ」と指示。４連打の口火を切った井上太陽（同）は「センター方向への強いゴロを意識して、うまく対応できた」と胸を張った。
相手エースの降板後も勢いづいた打線は止まらない。六、七回に５点ずつを加えて一気に畳みかけ、大勝に結び付けた。
ただ指揮官は先頭を歩かせた五回の守備に言及。この試合で唯一、伝令を送って流れを断とうとしたが１点差まで迫られ「勝敗を分けかねない危ない場面だった」と反省を忘れなかった。
今大会は背番号が２桁の選手も存在感を示し、底上げが進んだ。昨秋の主砲で１４番を背負う上野宏樹（同）は打撃で結果を残し、「守備や走塁も磨き、夏は１桁になれるよう九州大会でも暴れてくる」と力を込めた。
■鶴城「力を示すことができた」
ノーシードから決勝まで勝ち上がった鶴城だったが、力の差を見せつけられた。渡辺正雄監督は「今の力ではこれが限界。いかに課題を見つけるかがテーマだったので、収穫はあった」と敗戦を受け止めた。
１４０球の完投から中１日で先発した右横手の吉田幹太（３年）が序盤は好投。だが中盤に対応され、左肘のけがが完治していない山崎大雅（同）が緊急登板した。ただまだ投げられない球もあり、「少しでも甘い球は逃してくれなかった」と山崎。点差を広げられると、王者への対抗策は残っていなかった。
保田飛和主将（同）は「大会を通じ、ひと冬を越えてつけた力は示すことができた。一方で、明豊との差を痛感した。必ず糧にする」と夏のリベンジを誓った。
