九州観光まちづくりAWARDの食部門で金賞を受賞した宇佐美裕之さん(左)と友香さん=臼杵市深田
【臼杵】臼杵市深田の陶芸家、宇佐美裕之さん(47)、料理家の友香さん(47)夫婦が、JR九州の「九州観光まちづくりAWARD」の食部門で金賞を受賞した。地域ならではの文化や歴史を進化させ、器と料理の共演により新たな価値が生まれている点などが評価された。
賞は伝統を守りながら新たなものを生み出す個人、団体を表彰するもので、2回目。本年度は九州全域から63組のエントリーがあり、大賞1組、金賞(食・ものづくり・にぎわいづくり各部門)3組、特別賞2組を選んだ。県内の受賞は宇佐美さん夫婦のみ。
裕之さんは約200年前に臼杵藩で作られた幻の焼き物を2015年に現代版「臼杵焼」としてよみがえらせた。豊かな色合いの白磁やハスをモチーフにしたデザインなどが特徴。市内の店舗や市のふるさと納税返礼品で好評を得ている。
野菜ソムリエの資格を持つ友香さんは、市認証の有機栽培方法で育てた「ほんまもん農産物」を使った野菜が主役のメニューを考案。彩り豊かで滋味深い料理やスイーツを裕之さんが手がけた臼杵焼に盛って提供している。
地域の文化を守りながら発展させ、新たな価値を創造する取り組みが高い評価を得た2人は「賞を通じてローカルで頑張ってきた取り組みが、しっかりと県外に届いていることを実感できた。今後も臼杵の食の魅力を伝える活動を続けていきたい」と話している。