10月から改修工事に入るレセプションホール(ビーコンプラザ提供)
【別府】別府市山の手町のビーコンプラザは10月から天井の耐震改修を始める。工事のため、「レセプションホール」(最大収容900人)を来年7月まで休館するほか、「コンベンションホール」(同8千人)と「フィルハーモニアホール」(1190席)は2025年8月から約1年間、使用できなくなる。定期利用している団体は会場の変更を迫られ、対応策を練っている。
県などによると、1995年3月の開館以来、長期休館を伴う大規模改修は初めてになる。東日本大震災を受け、2014年4月に施行された改正建築基準法に適合するための措置。床からの高さが6メートルを超え、面積200平方メートル以上のつり天井に、脱落防止策が義務づけられた。三つのホールとも大きなつり天井を設けている。
同施設は観光地としての利点を生かし、大人数が集まる催事の誘致に力を入れている。レセプションホールはパーティーや式典などに使われてきた。工事期間中の利用を申し込んできた人には、会期をずらしてもらうことや館内の別会場の使用を提案している。
コンベンションホールで卒業式などを挙行してきた立命館アジア太平洋大は、来秋以降の式典を学内で学部ごとに時間をずらしながら実施するなどの対応策を考えているという。
フィルハーモニアホールを利用する別府アルゲリッチ音楽祭もアルゲリッチ芸術振興財団が今後、演奏形態や会場の変更について検討する。
同施設は25年3月に開館30周年を迎える。来年春に記念イベントを開き、全ての工事が終わる26年夏以降にこけらおとしの催しを計画している。
ビーコンプラザの清水賢二館長は「多くの人に迷惑をかけることになるが、理解してほしい。全館休館ではないので、さまざまな工夫をしながら乗り切りたい」と話している。