不登校の未然防止に向けて大分市教委が策定した「オオイタ・ココロ・プラン」。学びの場の確保などを目標に掲げている
【大分】大分市教委は、不登校の未然防止に向けて児童生徒を支援する「OITA COCOLO PLAN(オオイタ・ココロ・プラン)」を策定した。プランを基に中学校では、入学後の環境変化になじめない「中1ギャップ」の解消に重点を置き、一日の授業時間の削減などに取り組んでいる。
学校教育課によると、市立小中学校の不登校児童生徒は年々増加している。2023年度は前年より256人増の1665人。小学生は43人に1人、中学生は12人に1人が不登校の状態になっている。
中学生の不登校が多い要因の一つが中1ギャップ。そこで各中学校では1学期、一日の授業数を1時限減らし、部活動の開始時期を5月にするなどの対策をとった。「生徒や保護者の反応も上々」(同課)という。
プランは文部科学省が23年3月に示した「COCOLO PLAN」を基に▽学びの場の確保▽心の小さなSOSを見逃さない▽学校の風土の見える化―などを目標に掲げる。
市内では、民間のフリースクールなどで学ぶ子どもも増えている一方、そうした専門機関とつながっていない人は22年度に413人いた。不登校児童・生徒の約3割に当たり、学びの場の確保が課題となっている。今後は1人1台端末の持ち帰りによる学習支援や遠隔会議システムを活用した授業などにも取り組むという。
学校教育課は「不登校の原因もさまざま。関係機関と連携した取り組みを通して、継続的な支援につなげていきたい」と話している。