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別府―東京、映画漬け 劇場補佐とライターを両立

令和 新時代を生きる

 格安航空(LCC)やインターネットの普及で、1カ所に住むことにとらわれずに働く人が増えている。フリー映画ライターの森田真帆さん(39)もその一人だ。友人の紹介で訪れた別府市と実家のある東京都で月の半分ずつを過ごす2拠点生活をしている。
 映画に関わる仕事を始めて約20年。東京では話題の映画の試写会に行ったり、監督らをインタビューしたりし、映画情報サイトに記事を掲載。一日に複数の試写会やイベントに出向くなど多忙だ。
 別府市の仕事場は開館70周年を迎えた市内唯一の一般映画館「別府ブルーバード劇場」。長年、女性の岡村照館長(88)が1人で切り盛りしてきた。そこで「館長補佐」を務める。受付でパソコンを開き、ライターの仕事をしながら、接客やチケットのもぎり、イベントの企画をする。
 別府と東京をLCCで往復し、インターネットを活用。「東京で必死に働いて、別府でエネルギーをチャージしています。ここは本当にリラックスできる場所」。劇場周辺の商店街の店主らと談笑し、観光客にお薦めの映画を紹介するなど都会では味わえない人とのつながりを楽しむ。
 劇場との出合いは2014年春。18歳で渡米し、ハリウッドの映画製作現場で働いた。20歳で妊娠を機に帰国。経験を生かして映画ライターになり、十数年たったころだった。
 最新作を取材し、ライバルのライターに負けないよう記事を執筆する毎日。次第に大好きな映画を見ることがきつくなり、パソコンを開くと手が震えた。プライベートでも離婚などつらいことが重なり、ストレスがたまっていった。別府で暮らしていた友人が見かねて声を掛けてくれた。「真帆には別府が合うと思う。気分転換に来てみたら」
 初めて訪れた別府の街で目に留まったのが劇場のレトロな看板だった。気になって館内に入り、映画を見た。「シアターには私しかおらず、照さんが煎餅を持ってきてくれた。映画館なのにいいのかと思った」
 劇場の雰囲気と1人で守ってきた岡村館長にほれ込んだ。翌日、再び劇場を訪れ、手伝えることはないかと申し出た。岡村館長に認められると、ライターとしての人脈を生かした。知り合いの監督や俳優が舞台あいさつに訪れると館内は満席となった。
 劇場の仕事に関わるようになり、いくつかの変化があった。無名のライターだったのが、「別府ブルーバード劇場の手伝いをするライター」として東京の映画イベントなどに呼ばれ始めた。
 記事も分かりやすい表現にするよう気を付けるようになった。以前はライバルになめられないよう専門用語など難しい言葉を使っていた。劇場で客との距離が縮まり、考え方が変わった。「一般の人は専門用語を並べられても理解できない。分かりやすい言葉を使った私の記事を読んで映画に興味を持ってもらえる方がうれしい。劇場に来るおばちゃんの顔を想像して書いています」と話す。
 別府と東京を拠点に映画の素晴らしさを伝える日々は続く。「別府にいる人たちや私のことを応援してくれた家族には本当に感謝している。照さんのことを支えながら、これからもやりたいことをしていきたい」

 もりた・まほ 1980年生まれ。東京都出身。18歳でハリウッドに行き、映画製作現場で働いた。著書に「崖っぷちのハリウッドライフ」などがある。
※この記事は、7月11日大分合同新聞朝刊11ページに掲載されています。
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