俳優・オダギリジョーが23日、大阪市内で行われた映画『兄を持ち運べるサイズに』舞台あいさつに登壇した。 【写真】「ようこそ大阪へ!」オダギリジョー、村井理子氏、中野量太監督の3ショット 同作は、作家・村井理子氏が実際に体験した数日間をまとめたノンフィクションエッセイ『兄の終い』を映画化。絶縁状態にあった実の兄の突然の訃報から始まる家族のてんてこまいな4日間の物語。マイペースで自分勝手な兄に幼いころから振り回されてきた主人公を柴咲コウが演じた。21日からTOHOシネマズ梅田、TOHOシネマズ日比谷で先行上映、28日から全国公開される。 大阪舞台あいさつでは、オダギリ、原作の村井氏、中野量太監督が、映画をアピールした。オダギリは、家族を振り回す原因となる、“映画史上稀にみる”ダメな兄ちゃんを演じている。 「ようこそ大阪へ!」という呼び込みで入場すると、オダギリは「全国公開1週間前からの先行上映ということで、初めてそういう機会に参加しているのですが、皆さまも(28日の全国公開を前に)口コミを広める意識で帰ってください(笑)」と呼びかけた。 実在の人物を演じる上での取材や準備について、オダギリは「監督から撮影の前に、村井さんにオンラインでお話しを聞く機会があるのですが参加されますかとお声がけいただいたのですが、それを断ったんです」と明かし、「なんとなく、知るのが怖いというか、今から演じる人のことを、答えを先に見せてもらいたくないと言いますか、(自分で)探していきたいと思ったんです」「(村井さんを)目の前にして失礼なんですが、原作もあえて読まなかったですし、監督が書かれた脚本だけを信じて、監督との作業だと思って演じました」と語った。 対して、中野監督は「なんとなくオダギリさんはそういうスタイルだと思っているので、今回も参加しないならしないで良いかなと思っていました(笑)。でもその分、僕が村井さんにたくさんお話を聞いて脚本にちゃんと反映させていたと思うので、それを信じてオダギリさんが演じてくれた兄を、村井さんが見て『本当の兄みたい』と言ってくれたのは、うれしかったです」と語った。 村井氏も「見た目こそ兄とは違いますが(笑)。例えばお葬式のシーンでお金を無心する場面や、スーパーで焼きそばを買う場面、アパートで履歴書を書いているシーンなんかは、本当にびっくりするぐらい兄と雰囲気が似ていて、すごいなと思いました」と太鼓判。 それを聞いたオダギリは「そう思ってくださっていたことを初めて聞きましたし、それは偶然です!」と冗談交じりに返しつつ、「でも、うれしいです」と、喜びをにじませていた。
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