【キーウ共同】ウクライナ軍がロシア軍への攻撃や迎撃に用いる人工知能(AI)搭載の自律型無人機の実戦運用を年内に拡大する計画を進めていることが16日、分かった。ウクライナの政府組織で防衛技術に関する戦略策定、企業支援を担う「ブレイブ・ワン」当局者が共同通信に明らかにした。技術革新で攻撃・防御の精度や識別能力を高め、兵員数で上回るロシアに対抗して戦争の主導権を握る狙いがある。
AIを活用した無人機は既に実戦投入されているが、今回運用を拡大する無人機は自ら目標のある地域に移動して対象を捕捉、偵察や迎撃・攻撃を行う機能を備える。人間の許可が不可欠だが、操縦の必要がない「完全な自律型」としている。
当局者は、ウクライナが東部ハルキウ州で最近使用した迎撃用無人機が「完全な自律型」だったとし、「人命を守る防衛の実例」だと説明。運用拡大の対象には迎撃用だけでなく攻撃用無人機も含まれるとしている。拡大の具体的な時期や規模は明らかにしなかった。
当局者は、100キロを超えるような無人機の長距離飛行では地球の曲率が問題になり通信や制御が難しくなるためAIの自律性が重要になると指摘。ロシア軍の電波妨害の影響も軽減でき、精度や識別能力の向上により敵以外の殺傷を防ぐことで「より人道的になり得る」との認識を示した。
また、技術が向上すれば、前線のロシア側でウクライナの無人機が攻撃を仕掛けることができる「キルゾーン(殺りく地帯)」の拡大につながると指摘。現在はロシア側約20キロに及んでいるが、将来的に「ロシア全土に広げたい」と語った。
ウクライナは友好国の無人システム用のAIモデルが実戦データに基づき訓練できる環境を構築している。別の当局者は「日本とも協力が深まることを期待している」と話した。
当局者2人は安全上の理由から匿名を条件に取材に応じた。
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