最優秀賞獲得を喜ぶ大分東高の農業部員(左の5人)と教職員、IVY大分高度コンピュータ専門学校の教員と学生=大分市の大分東高
【大分】全国の高校、高専の生徒や専門学校、大学の学生が、情報通信技術(ICT)を活用したスマート農業のアイデアを競う「アグリテック甲子園2024」で、大分東高(大分市屋山)の農業部が最優秀賞を獲得した。23年度に優秀賞になった人工知能(AI)によるイチゴの「品質判定マシン」をスマートフォン用に改良。生産者の要望に応えたことなどが評価された。
コンテストは兵庫県姫路市の主催。今年1月下旬に同市で本選があり、書類審査を通過した同高と久住高原農業高(竹田市)のほか、兵庫、山口各県の計5校のプレゼンテーションを審査した。
大分東高農業部は、県産イチゴ「ベリーツ」の生産・流通について研究し、18区分ある品位選別やパック詰めの煩雑さに生産者が困っていることを知った。22年度から、AIに大量の果実の写真を学習させた品質判定プログラムを民間企業などと共同開発してきた。
本年度は菅本彩乃さん、鈴木結花さん、井上遼人さん、清水裕斗さん(以上、3年)、久保田凜さん(2年)が研究を継続。判定に使っていたパソコンとカメラをスマートフォンとウェブアプリに置き換えて大幅な省スペースと扱いやすさを実現した。
菅本さんと鈴木さんは「先輩や前顧問との約束を果たして大満足の結果。大変だったけど楽しかった」と笑顔。久保田さんは「新年度は生産現場での実用化を果たしたい」と意気込む。
技術支援をするIVY大分高度コンピュータ専門学校(大分市東春日町)教員の馬場清さん(56)は「高校生の目線からAIの活用法を教えてもらった。課題解決に貢献したい」と話している。