喉の痛みを訴える患者(左)を診察する医師=24日、大分市府内町の府内耳鼻咽喉科
新型コロナウイルスの流行が拡大している。県が24日に発表した感染状況によると、県内58の定点医療機関から報告のあった15~21日の患者数は前週比1・2倍の1393人。今月上旬に「注意報レベル」に達してから2週間で2倍以上に増えた。患者の搬送増加に備え、大分市消防局は待機する救急車を1台追加して態勢を強化した。
県は1週間で1定点医療機関当たり10人以上の患者が確認された場合を「注意報レベル」、30人以上を「警報レベル」としている。今月1~7日に11・43人となったため注意報を発表。15~21日は24・02人まで増えた。
保健所管内別では大分市が最も多く、1定点医療機関当たり29・06人。県内7地域のうち豊肥と北部を除く5地域が20人を上回った。
大分市府内町の「府内耳鼻咽喉科」では24日、発熱外来で検査した6人全員から陽性反応が出た。7月に入って急増し、40度近い高熱や喉の痛みを訴える人が多い。未就学児から高齢者まで幅広い年代が感染しているという。
植山朋代副院長(57)は「発熱がなくても感染している場合がある。喉の痛みや体に不調がある時は受診してほしい」と話した。
患者の増加を受け、市消防局は24日、市内13の救急隊が全て出動した場合に対応できる特別救急隊の態勢を整えた。9月末まで救急車1台を追加で配置する。
救急救命課は「夏場にかけて、新型コロナの感染者や熱中症による搬送が増える傾向にある。万一に備えたい」と説明した。