患者さんの「声」を聴く。創業30周年記念式典でケアネット社員が向き合った「情熱の根本」

日本の医師の約7割にあたる24万人以上の医師が利用する医学・医療情報サイト「CareNet.com(ケアネット・ドットコム)」。株式会社ケアネットは、この医療情報サイトを運営しながら、創業から30年間、医療従事者へ薬や病気に関する正確な最新情報を届け続けてきました。
そして今、私たちは「医学教育」の担い手としての経験をベースに、「AI企業」として医療の未来を動かす最先端のサービス開発を進めています。
「次なる成長に向けて新たな挑戦を」と強く願う経営陣の思いを受け、創業30周年記念式典では、1つの特別プログラムが実施されました。
タイトルは『患者さんの「声」を聴く~当事者と考える、医療への想い』。
今回は、私たちが向き合った「情熱の根本」のストーリーをお届けします。
30年間、今だからこそ見つめ直す原点
今、ケアネットは30年間培ってきた知見やデジタル基盤にAI技術を駆使し、医療現場を圧倒的なスピードと精度でサポートしようとしています。
しかし、従来の縦割り文化を打破してスピードを高めるためのダイナミックな組織改編や、次々と発表される新しい挑戦を前に、社員の間に少し緊張感が漂っていたのも事実です。
こうした変革期だからこそ、私たちがひとつのチームとしてより強固に結束するために、今一度「何のために仕事をしているか」という原点を問い直す必要がありました。ただ、その問いに対する答えは、経営陣から一方的に与えられるものではありません。ケアネットに属する一人ひとりのプロフェッショナル人材は、元からその志を抱いてこの組織に集まっているからです。
「日本の医療をよくしたい」「患者さんを救いたい」という情熱を、誰に言われるでもなく全員が最初から持っている──それこそが、ケアネットの社員に共通する最大の特徴なのです。

画面越しに届いた「シロクマセンセイ」の生の声
進行役を務めた人材戦略本部長 佐藤寿美から「私たちが日頃向き合っている仕事の『情熱の根本』を見つめ直す時間にしたい」とイントロダクションがあり、Zoomの画面を通じて現れたのは、特別ゲストである森内剛さん(通称:シロクマセンセイ)。森内さんは、遺伝性の進行性希少疾患である「トランスサイレチン型家族性アミロイドポリニューロパチー」の当事者として、疾患の認知向上のために精力的に活動されています。この病気は、異常なタンパク質が全身に沈着することで、手足のしびれや筋力低下による歩行困難、めまい・失神・嘔吐といった自律神経異常に加え、心不全や不整脈などの心症状、そして体重減少といった全身障害が、着実に進行していく過酷な難病です。
「闘病が本当につらくて、全然思うようにいかない。そよ風が顔に当たるだけでも吐いてしまって…」
私たちは日頃データや文字として「疾患情報」を扱いますが、患者さんが「つらい」と言うのを聞くことができるのは、ご家族やご友人、医療従事者の方々です。患者さんの生の声が私たちの耳に届く、貴重な瞬間でした。
「おつらいでしょうね」という言葉にさえ、「分かりもしないくせに」ととげとげしい気持ちになってしまうこともある。タイミングによっては、患者さんが医療従事者にガラスのように鋭い言葉をぶつけてしまうこともある。森内さんが語ってくれたのは、日々自分の体調と向き合いながら生きる患者さんの正直な思いでした。「でもどうか諦めずに患者と接してほしい」画面の向こうから伝わるリアルな痛みに、客席では涙を流しながら聴き入る社員の姿もありました。私たちは、この方々の力になるために医療を支えているのだと、痛感させられたのです。

「今が一番幸せです」病の苦しみを超えた先にある、感謝の境地
お話の中で、最も社員の心を揺さぶったのは、森内さんが事あるごとに口にされる「今が一番幸せ」「病気に感謝している」という言葉でした。五感や身体の自由が奪われることは一般的に受け入れ難いことでもあります。しかし森内さんは、かつて教師として唯我独尊的だった自分が、闘病によって周りの人々への感謝を知り、人間としてガラッと変わることができた。家族との絆を取り戻すことができたのだと明かしてくれました。
そして、「今がこの病気の解明をしている『最新版』だから、それが幸せ」とも。かつては原因もわからず、有効な治療法もないと言われた希少・難治性疾患。森内さんご自身はこの疾患で、国内で肝臓移植を受けた最後の世代であり、壮絶な闘病生活を経験されました。しかし医療テクノロジーの進化、そして製薬企業や研究者たちのたゆまぬ努力によって、現在では移植を選択せずとも、同等の効果を得られる革新的な治療薬が次々と開発されています。
「僕よりも、次に続く人たちはもっと幸せに暮らせる。それは本当に凄いことなんです」
実はこの日、この特別な時間はケアネットの社員だけでなく、アミロイドーシスの治療薬開発に挑み続ける製薬企業の皆さまへもオンラインで生配信されていました。新薬を生み出すために日々奮闘されている製薬企業と、その薬を待つ患者さんの「生の声」をリアルタイムで共有する。それは、30年の歴史の中で医師や製薬企業と深い信頼関係を築いてきたケアネットだからこそ実現できた、極めて貴重な対話のプラットフォームでした。
画面越しで熱いメッセージを受け取った一同の胸に深く広がったのは、医療界への大きな敬意と、自分たちの仕事への誇りです。ケアネットが日々医師に届けている情報や、これからAIを駆使して加速させていく医学教育の仕組みは、まさにこの「医療の最新版」を1日でも早く、1人でも多くの医師、そして患者さんへと届けるため。その架け橋そのものなのだと確信した瞬間でした。

テクノロジーに「情熱」の火を灯す。私たちが医療の未来を動かすという覚悟
森内さんのお話のなかには、前向きに病気と向き合うその姿を見て、「私には何ができるんだろう」と、ご本人を前に涙した看護師さんのお話もありました。今回の講演会で社員一同の胸に宿った想いも「さあ、私たちにもっとできることはないか」です。その純粋で熱い衝動が、会場のあちこちで湧き上がっていました。
「私たちが発信するコンテンツが、AIの技術が、確かに一人の患者さんの明日を動かしている」
森内さんを盛大な拍手でお見送りした会場には、単なるイベントの感動を超えて、明日からの仕事に対する実直な覚悟と、挑戦への情熱の火が全社員の胸に熱く灯っていました。
ケアネットはこれからも、創業以来の情熱を絶やすことなく、最新のテクノロジーとともに医療人を支え、医療業界の発展に貢献してまいります。私たちが届ける情報が、そして医学教育の仕組みが、その先にある一つひとつの大切な命へ届くことを信じて。
■ ケアネットのパーパスはこちら
https://carenet.co.jp/purpose/
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