40年の研究はいかに事業になったのか。ヒアルロン酸研究が歩んだ挑戦の軌跡

マイナビといえば人材サービス、キユーピーといえばマヨネーズ――そんなイメージを持つ人は多いのではないでしょうか。しかし両社には、実はあまり知られていない“意外な事業”があります。
キユーピーグループではウェルネス領域にも取り組んでおり、ファインケミカル事業で培った研究を活かしたサプリメントやスキンケア商品を展開しています。一方で、その事業や背景にある想いをどう広く伝えていくかは、課題の一つです。
そこで今回、マイナビ農業の事業部長を務める伊藤さんと、キユーピーグループでウェルネス領域のファインケミカル事業でコンシュマー向け商品を販売する通販事業を運営する 株式会社トウ・キユーピー代表取締役社長の谷川が対談。それぞれの“意外な事業”に懸ける想いや、事業を育て、広げていくための取り組みを語り合う中で、トウ・キユーピーがウェルネス領域の価値をより多くの人へ届けていくためのヒントを探りました。
プロフィール

谷川 和正(たにがわ かずまさ)
株式会社トウ・キユーピー
代表取締役社長
1994年、キユーピー株式会社に入社。家庭用営業を中心に、商品開発、広告宣伝等を経験。マヨネーズのプロモーションや開発にも携わる。2022年2月、キユーピーからの出向で株式会社トウ・キユーピーの代表取締役社長に就任。

伊藤 槙吾(いとう しんご)
株式会社マイナビ
コンテンツメディア事業本部 農業活性事業部 事業部長
2015年、株式会社マイナビに中途入社。アルバイト事業部でマイナビバイトの営業を約8年担当したのち、2023年に社内公募制度を利用してマイナビ農業へ異動。以来、農業に特化した総合メディアの運営や、生産者・行政・企業をつなぐ事業に携わる。
キユーピーにおけるウェルネス領域をどう広げていくのか
――キユーピーといえばマヨネーズをはじめとする食の領域、マイナビといえば人材が主軸だと思いますが、お二人が携わっている事業について教えてください。
谷川:ヒアルロン酸を使ったサプリメントやスキンケア商品を、キユーピーグループの公式通販ショップ「キユーピーウエルネス」で販売しています。もともとマヨネーズの原料である卵の研究から派生した成分で、今では健康食品や化粧品として広く展開しているんです。
伊藤:「マイナビ農業」という、農業に特化した総合メディアを運営しています。情報発信だけでなく、就農イベントの企画や、自治体の地域PR支援、生産者の販路開拓支援なども行っていて、人材サービスにとどまらない形で農業界に関わっています。
40年以上の研究が実を結んだ、ヒアルロン酸素材を活用した事業のはじまり
――キユーピーがヒアルロン酸などの素材研究を始めた経緯を教えてください。
谷川:当社の場合、マヨネーズの原料である卵とお酢の研究から、いろいろな事業が派生しているんです。卵を生む鶏の研究の中で、鶏のトサカにヒアルロン酸が多く含まれることの発見から40年以上研究を続けてきました。また、お酢の発酵技術から派生して微生物発酵のヒアルロン酸を大量生産することにも繋がっていきました。

1982年にファインケミカル事業を立ち上げて、ヒアルロン酸を使ったto Bの原料販売からスタートし、2015年に主力商品「ヒアロモイスチャー240」が、日本初、肌の機能性表示食品として発売されたのを機に、to C事業としても大きく成長しました。
伊藤:40年以上ですか、すごい歴史ですね。ファインケミカル事業は、社内外からはどんなイメージを持たれていたんですか?
谷川:キユーピーは食が本流ですから、やはりそこからは少し離れたところの事業というイメージを持たれていたと思います。それが一番変わったのは2025年、新しい中期経営計画がスタートしたタイミングです。ウェルネスという領域にもっと取り組んでいくという強いメッセージがグループの中で示されました。
具体的には、サラダとウェルネスとサステナビリティ、この3つの領域に注力することが掲げられました。ウェルネスがグループの成長領域として位置づけられたのは大きな転機でしたね。コロナ禍で内食需要が伸びた後、一旦それが落ち着いても、サプリメントやスキンケアのカテゴリーは着実に伸びていて、そこに可能性を見いだせたのも大きかったと思います。
ブランド力と実績が支える成長
――競合の多い領域だと思いますが、トウ・キユーピーとして成長できた強みはどんなところにあると感じていますか?
谷川:二つあると思っていて、一つはブランド力。先輩方が作り上げてきたキユーピーというブランドの安全・安心感、親しみやすさの恩恵はすごく受けていると感じます。
もう一つは、ヒアルロン酸研究40年以上の歴史と、マヨネーズの原料であるお酢から生まれた酢酸菌の研究など、確かなエビデンスを探求し続けてきた商品力。ブランド力と商品力がうまく重なって、会社として成長できているのかなと思います。
ヒアルロン酸の出荷量は実は国内1位※なんですが、原料や、品質へのこだわり、原料としての付加価値が評価されているのかなと思っています。
※富士経済「生物由来有用成分・素材市場徹底調査 2024」2022年実績
伊藤:マイナビ農業も同じで、マイナビがこれまで培ってきた信頼やブランド認知があるからこそ、農業領域でも多くの方に関心を持っていただけているのだと思います。そのうえ全国に支社があるので、生産者から行政まで、幅広くつながりを持てているのも大きな強みです。

社内の仲間を増やす。インナーブランディングの挑戦
――それぞれ事業のトップとして、社内での認知や理解を広げるために取り組んでいることはありますか?
谷川:まさに今、社内のインナーブランディングに力を入れています。トウ・キユーピーの詳しい事業内容は、まだまだ社内でも知らない人が多いです。イントラを使った発信はもちろん、今年に入ってからは、私自身で全国の支社や支店を回って、当社がどんな事業でどんなウェルネス領域を広げていきたいのかを、直接プレゼンして回っています。
実際に足を運ぶと、実際に商品を使ってくれているという社員が結構いて、それはすごく嬉しかったですね。社員がファンになって、そこからご家族や友達などの関係者、得意先にも紹介してもらうことで広がっていく。そうやって仲間作りをしていくことが、会社の存在感を高めることにつながると感じています。
伊藤:すごくよくわかります。まずは社員一人ひとりが農業活性事業をきちんと理解してくれないと、対外的にも広がっていかないなと思っていて、マイナビ農業も社内浸透には力を入れていきたいところです。
ウェルネス領域の未来をつくる担い手に
――今後、事業をどのように広げていきたいと考えていますか。
谷川:私たちは「ていねいに、美しく、生きる。」というブランドステートメントを掲げていて、本当の美しさは健康から生まれるという考え方を軸にしています。
ヒアルロン酸や酢酸菌といった素材を使って、サプリメントやスキンケアだけでなく、マヨネーズやドレッシングなど、食卓の中でも自然に健康をケアできるものを、これからもっと広げていきたいと思っています。
ウェルネス領域は、グループ全体で取り組んでいる成長領域でもあるので、その中心に自分たちがいつつ、全体をけん引する役割を担っていきたいですね。

マヨネーズづくりを起点に、卵やお酢と向き合いながら積み重ねてきた40年以上のヒアルロン酸の研究。その歴史から生まれたウェルネス領域の価値や想いを、まずは社内へ、そしてより多くの方へ。トウ・キユーピーでは今後も、さまざまな接点を通じて丁寧に伝えていきたいと考えています。
長年培ってきた研究や知見を活かしながら、キユーピーグループだからこそできるウェルネス領域を広げていく挑戦を続けていきます。
マイナビ農業は、どのような想いから立ち上がり、生産者や地域の課題と向き合っているのでしょうか。
今回の対談「マイナビ編」では、人材サービス企業であるマイナビが農業領域に取り組む背景や、事業を通じて見えてきた課題、これから描く未来について詳しく伺っています。トウ・キユーピーが今後事業を広げていくうえで、マイナビ農業の取り組みから得た気づきにも触れています。
「マイナビ編」の対談記事はこちら
https://corp-note.mynavi.jp/n/nfdc5ac9907ef
この対談が生まれたきっかけ
今回の対談は、企業のオウンドメディア担当者が集まり、情報交換や共創企画に取り組む「これからラボ」でのつながりから実現しました。企業や業界の垣根を越えた交流の中で、お互いの“意外な事業”の共通点に気づいたことから今回の対談が実現しました。今後もこうした企業間のつながりを大切にしながら、新たな発信や共創の可能性を広げていきたいと考えています。
「これからラボ」について
https://note.com/co_creation_labo
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