パーパスを“掲げる”から“体現する”へ 新日本製薬が3年間で取り組んだ、社内浸透プロジェクトの軌跡

新日本製薬 株式会社は、2023年1月にパーパス『美と健康の「新しい」で、笑顔あふれる毎日をつくる。』を制定し、パーパスを最上位の概念とするフィロソフィーを新たに定義いたしました。


パーパスは、企業の存在意義であり、掲げることが目的ではありません。その実現に向けて事業活動を進めていくためには、まず日々の業務を担う社員一人ひとりがパーパスを理解し、自分ごととして捉えることが大切です。当社はその考えのもと、2023年から3カ年計画の「パーパス経営浸透プロジェクト」を立ち上げました。プロジェクトでは、社員の意識や行動の変化に合わせて「認知」「理解」「共感」「コミットメント」「自発的な行動」の5つのステップを設定。各ステップに応じた施策を重ねながら、パーパスを日々の業務や行動につなげる土台づくりを進めてきました。


3年間の取り組みの背景には、会社のパーパスを起点に、部のパーパス・課のパーパス、そして社員一人ひとりのMYパーパスへと段階的に落とし込みながら、パーパスを自分ごととして捉える機会をつくり続けてきたプロジェクト事務局の想いがあります。

パーパス実現に向けた第一歩として取り組んできた、プロジェクトの3年間の歩みをご紹介いたします。


■パーパス制定の背景

将来の予測が難しい「VUCA時代」といわれる現代、地球環境問題やジェンダーギャップ、格差の是正など、さまざまな社会課題への対応が企業に求められています。こうした中、“何のために存在し、事業活動を通じて社会課題の解決にどう貢献できるか”という存在意義を「パーパス」として掲げる企業が世界的に増えてきています。

当社も2022年3月の創立30周年を機に、これまで変わらず大切にしてきた考えと、これから果たすべき社会的役割を見つめ直し、2023年1月にパーパスを制定いたしました。当社のパーパス『美と健康の「新しい」で、笑顔あふれる毎日をつくる。』には、価値観が多様化する中で、新しい商品やサービスを通じて世界中の人々の笑顔あふれる毎日に貢献したいという想いが込められています。


■パーパスを社内に浸透させるためのプロジェクトが始動!3年間の取り組み

3カ年計画の「パーパス経営浸透プロジェクト」では、社員の意識や行動の変化に合わせて「認知」「理解」「共感」「コミットメント」「自発的な行動」の5つのステップを設定。段階ごとに施策を展開しながら、パーパスを日々の業務や行動につなげるための土台づくりを進めてきました。

一方で、プロジェクトの道のりは決して平坦ではありませんでした。当時はパーパス浸透に関する先行事例も多くなく、どのような施策が社員の理解や共感につながるのか、手探りで進める場面も少なくありませんでした。

そうした中、社員の関心や機運が高まったタイミングを逃さず、アイデアを迅速に形にして施策を展開。試行錯誤を重ねながら、全社一丸となってプロジェクトを前進させていきました。



ステップ1 認知(2023年度)

「認知」のステップでは、社員がパーパスの存在を確実に認知できている状態をめざし、日常の業務の中で自然と目に触れる接点づくりを進めました。掲示物や配布物、朝礼での発信に加え、名刺・社員証、メール署名、会議資料フォーマット、PC壁紙など、日々目にするツールにもパーパスを反映。さまざまな接点を通じて、社員一人ひとりがパーパスを意識しやすい環境を整えました。


<実施した施策>

・掲示・配布:フィロソフィーポスターの全拠点掲示、フィロソフィーマニュアルの全社員配布

・社内発信:パーパスをテーマにした朝礼スピーチの実施

・日常ツール:パーパスグッズ、名刺・社員証、メール署名、会議資料フォーマットへの反映

・デジタル接点:PC壁紙、Web会議背景、携帯待受画面背景の展開


左)全社員に配布したパーパスグッズ 右)パーパスをイメージしたWeb会議背景


ステップ2 理解(2023年度)

「理解」のステップでは、社員がパーパスの意味や制定の背景を理解している状態をめざし、パーパスが制定された経緯や想いを紹介する動画の配信や、ウェブ社内報での連載企画を通じて情報を展開しました。さらに、参加型のワークショップでは、他社事例を参考に企業の存在意義と事業活動の関係性を学びながら、自身の業務とパーパスとのつながりを考えるプログラムを実施。社員一人ひとりが、パーパスを自分ごととして捉える機会をつくりました。


<実施した施策>

・社内共有:パーパス浸透動画の配信、 ウェブ社内報でのパーパス連載企画の展開

・対話:参加型ワークショップの実施



会社のパーパス・部のパーパス・課のパーパス・MYパーパスを整理した図


ステップ3 共感(2024年度)

「共感」のステップでは、社員が当社のパーパスに共感している状態をめざし、パーパスと向き合う機会を創出するための施策を実施しました。会社のパーパスを部門・課単位に落とし込み、それぞれの役割や業務とのつながりを明確化。さらに、部署ごとにパーパスをどのような行動で実現していくかを話し合う「パーパスミーティング」を実施し、その内容を「10のAction」として整理しました。

また、各部署のパーパスやそこに込めた想いを朝礼スピーチで共有するとともに、紙社内報では“パーパス特集号”として、トップインタビューや各部署の取り組みを紹介。部署を越えてパーパスへの理解と共感を深める機会をつくりました。


<実施した施策>

・方針づくり:部のパーパス・課のパーパスの制定

・対話・行動化:「パーパスミーティング」の実施、「10のAction」の策定

・社内共有:部のパーパス・課のパーパスをテーマにした朝礼スピーチの実施、紙社内報でのトップインタビュー・各部署の取り組み紹介


紙社内報(各部署の取り組みと「10のAction」を紹介するページ)


ステップ4 コミットメント(2024年度)

「コミットメント」のステップでは、社員一人ひとりがパーパスと自身の業務とのつながりを深く理解している状態をめざし、自ら考え、発信するための施策を実施しました。

このステップでは、パーパス浸透をさらに加速させるため、全社横断プロジェクトとして再始動。各部門を代表する約20名のメンバーが参加し、定期的な分科会を通じて、部門ごとの視点を持ち寄りながら施策の企画・実行を進めました。

また、取締役を交えた座談会「パーパスクラブ」を開催し、プロジェクトメンバー同士がパーパスへの想いや自身の役割について語り合う機会を創出。さらに、社員が自身の役割や強みを見つめ直し、パーパスの実現にどう貢献していくかを言語化するMYパーパスを全社員策定しました。策定した内容は朝礼スピーチで共有し、一人ひとりがパーパスへのコミットメントを深める機会としました。


<実施した施策>

・推進体制:全社横断プロジェクト体制での推進

・対話:取締役とプロジェクトメンバーによる座談会「パーパスクラブ」の開催

・言語化・発信:全社員によるMYパーパスの策定、MYパーパスをテーマにした朝礼スピーチの実施


座談会「パーパスクラブ」


ステップ5 自発的な行動(2025年度)

「自発的な行動」のステップでは、社員一人ひとりがパーパスを意識した思考・行動を自ら実践する状態をめざし、パーパスを体現する行動を社内で共有・称賛する取り組みを実施しました。その中核施策として、パーパス実現に向けた社員の行動を評価する表彰制度「パーパスアワード」を新設。制度の浸透と活性化を図るため、各部署の取り組みを紹介するポスター掲示や動画配信を実施しました。ポスターには、共感した取り組みに「いいねシール」を貼れる仕組みを取り入れ、社員同士が互いの取り組みを知るきっかけをつくりました。


各部署の取り組み紹介ポスター


そして、5つのステップを通じた取り組みの成果を体現する場として、第1回「パーパスアワード」を開催。各部署からパーパス実現に向けた取り組みがエントリーされ、最優秀賞1部署、優秀賞4部署を選出しました。受賞部署からは今後の取り組み継続に前向きな声も寄せられ、社員がパーパスを自分ごととして捉え、具体的な行動へとつなげる機会となりました。


<実施した施策>

・仕組みづくり:表彰制度「パーパスアワード」の新設

・共有・参加:取り組み紹介ポスターの掲示、動画配信

・称賛:第1回「パーパスアワード」表彰式の開催


「パーパスアワード」受賞部署表彰の様子


■3年間の積み重ねが、確かな成果に

パーパスの社内浸透を目的に、3年間にわたり段階的にさまざまな施策を実施してきた結果、定点観測している社員アンケートにおいて、最終年度にはすべてのステップで過去最高のスコアを記録しました。

社員一人ひとりがパーパスを自身の業務と結び付けて捉え、その実現に向けた行動を主体的に実践する段階へと着実に進んでいます。

社員からは「最初はパーパスという言葉に馴染みがなく、実感も持てなかったが、さまざまな取り組みを通じて理解が深まった」「パーパスアワードの新設をきっかけに部署内の一体感が高まり、日々の業務へのモチベーション向上につながった」といった声が寄せられており、パーパスが組織文化として根づき始めていることも伺えました。



■プロジェクト事務局の想いと今後の展望 

私たちはこの3年間、段階的にさまざまな施策を積み重ね、パーパスを社員一人ひとりの心に根づかせるための取り組みを続けてきました。当社のパーパスを、どのようにすれば自分ごととして受け止めてもらえるのか。その答えは、決して一朝一夕に見つかるものではありませんでした。それでも取り組みを重ねる中で、社員同士がパーパスについて語り合う場面や、日々の業務の中でパーパスを行動へとつなげていく姿が少しずつ増えていきました。

社員アンケートで過去最高のスコアを記録できたことは、施策そのものの成果であると同時に、多くの社員がパーパスと真摯に向き合い、自身の業務とのつながりを考え続けてくれた結果だと感じています。

パーパス経営浸透プロジェクトは、2025年度をもって3年間の取り組みに一区切りを迎えました。しかし、私たちにとって、これはゴールではなく、新たなスタートです。これからは、施策に頼らずともパーパスが自然と根づき、社員一人ひとりが主体的にパーパスを体現できる企業文化の醸成をめざしてまいります。そして、私たちが掲げるパーパス『美と健康の「新しい」で、笑顔あふれる毎日をつくる。』の実現に向けて、これからも全社員が一丸となって歩み続けてまいります。


【会社概要】

会社名:新日本製薬 株式会社

所在地:福岡県福岡市中央区大手門1丁目4-7

代表者:代表取締役社長CEO 後藤 孝洋

設立:1992年3月

事業内容:化粧品、健康食品、医薬品の企画及び通信販売・卸販売

URL:https://corporate.shinnihonseiyaku.co.jp/




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