【構想10年!スナックにイノベーション!】特許申請中の“真空揚げたて製法”でつくる「いつでもどこでも、まるで揚げたてポテト」で、中食ニーズの獲得に挑む!新生・湖池屋 第二章の幕開け「金のポテト」
2026年9月、湖池屋はプレミアムポテトスティック「金のポテト やみつき塩」「同 王道のり塩」で、満を持して箱筒カップ市場に参入します。成長著しい同市場に、なぜ今まで参入しなかったのか。競合他社の強力商品がある激戦区に、なぜあえて身を投じるのか。そこには10年にわたる「悲願」がありました。

●箱筒カップ市場を牽引する成形ポテトスティック
近年、ポテトスナック市場において「箱筒カップ市場」が伸長しています。箱や筒は袋に比べて持ち運びに便利。コロナ禍以降に増えた「外出時にお菓子を食べたい」ニーズを満たしたのです。
現在の箱筒カップ市場は、湖池屋の競合メーカーが発売する成形ポテトチップス・成形ポテトスティック商品の寡占状態で、長らくの間新興ブランドが不在化しています。特に若年層を中心として幅広い層に訴求する、ある主力ブランドの箱筒カップ市場シェアは実に50%近くあり、カップ市場シェアに至ってはなんと90%近くのハイシェアを確立。他商品の追随を許しません。
そもそも、「成形」ポテトスティックとは何でしょうか。
ポテトスナックには、大きくふたつのカテゴリがあります。ひとつは、生のじゃがいもをスライス状あるいはスティック状にカットして揚げたもの。もうひとつは、じゃがいもを一度粉状にし、様々な形に固めて(成形して)揚げるなどした商品。後者は「成形ポテトチップス」「成形ポテトスティック」と呼ばれ、箱筒カップ市場の多くを占めています。
実は、湖池屋が「成形」ポテトスナック市場へ本格参入するのは今回が初めてのこととなります。これまで参入してこなかった一番の要因は、成形商品で常用される乾燥マッシュポテトは、湖池屋がこだわる「国産生じゃがいも」の美味しさの再現には向かないからです。これは創業以来、国産生じゃがいもが持つ美味しさにこだわり続けてきた湖池屋だからこその大きな理由でした。

しかし2026年、湖池屋はついにこの問題を解決し、商品化にこぎつけました。生じゃがいもの味わいを損なうことのない成型ポテトスティック「金のポテト」です。
●ふたつのターゲット
まず着目したのが、フライドポテトを好んでいるユーザーです。近年、物価高の影響を受けて、コスパ・タイパを兼ね備える中食(なかしょく)産業が盛り上がりを見せています。中でも、今回湖池屋が注目したのは老若男女問わず、多くの人の心を掴んで離さない「フライドポテト」です。近頃は、各地にフライドポテト専門店が出店されたり、家庭で冷凍のフライドポテトを楽しんだりと、国内の消費量は年々増え続けています。長年、スナックはお菓子としての側面だけでなく、小腹満たしや忙しい時の食事代わりといった、軽食としての役割も持っていると考えていた湖池屋は、本プロジェクトを通してスナックの何倍もの市場規模を誇る中食市場において、新たな食カテゴリを創出するイノベーションを起こそうと考えたのです。日本中の誰もが好きなこのフライドポテトのやみつき感や揚げたての香りを、もしスナックで体現できたら?
フライドポテト好きの皆様の新しい選択肢になりうるのではないか、これが第一のターゲットです。
一方で、実際にスナック菓子として商品化するにあたって、やはり見逃せないのが件の競合商品です。競合商品に関するユーザー調査をしていると、市場を席巻する大人気商品だけに、多くのユーザーが「食感が良い」「食べやすい形状」と高評価をあげてきましたが、一方で「味付けが素朴」「じゃがいもの味が弱い」「味に飽きてきた」という不満も散見されたのです。年齢が上がるとともに離脱するユーザーもいました。
湖池屋 マーケティング本部 マーケティング部 第2課 課長代理の中島桃子は、当時の調査を振り返ります。
「競合商品の評価は確かに高かったのですが、お客様の声を聞いていると、少しずつ不満が出てきたんです。大人になって、味覚の嗜好性に変化があった方も多いようでした。じゃがいもの味が物足りない、もっとパンチの強いものが食べたい、とか」(中島)

「じゃがいもの味が弱い」とは、すなわち芋本来の味わいが損なわれているということです。であれば、もし味わいが損なわれていない成形ポテトスティックを作ることができれば、このユーザーを一気に取ることができる。「件の競合商品に満足できていないユーザー」、これが第二のターゲットです。こうして、市場にまだない商品を作るべく、開発部の奮闘が始まりました。
「生じゃがいもの良さを生かしたフライドポテトスティックが作れないか? そこからすべてが始まりました」(中島)
●「真空揚げたて製法」で難題を解決
「金のポテトでは、今までにない製法にチャレンジしました」と語るのは、湖池屋 R&D本部 イノベーション開発部 部長の武島建悟です。湖池屋のこだわりとして、海外産じゃがいもを使わず国産じゃがいもだけで作るのはマストでしたが、その美味しさをどうやって損なわせないようにするか。芋感を最大限出す調理法の発見には、3、4年かかったと言います。
それが、目下特許出願中の「真空揚げたて製法」と呼ばれる製法です。

「従来の成形ポテトスナックには乾燥ポテトパウダーが使われています。乾燥したポテトパウダーの生地に特性を与える副原料を混ぜて、それに水を加えて生地を作ります。しかしながら、乾燥ポテトパウダーはその性質上、どうしても生のじゃがいもで作ったポテトチップスを食べたときの芋感とは異なる、独特の芋感が出てしまうんです」(武島)
この独特の芋感とは、生じゃがいもの芋感とは異なるもの。つまり湖池屋の求めるものではありません。
とはいえ、生のじゃがいもをマッシュして、そのまま成形できるかというと、じゃがいもの水分値は80%近くあるため、芋以外の素材を混ぜ込んで生地を作らないといけず、どうしても求めているじゃがいもの味を出すことが困難になってしまうのです。
そこで編み出されたのが、真空下でじゃがいもの水分調整をする“真空濃縮”という方法でした。
「真空状態にすると水が低温でも水分が抜けるようになるので、その状態でじゃがいもの水分だけを抜き、芋の味を濃くしながら、理想の水分値で生地を作ります」(武島)

さらに、フライ(揚げ)工程でも真空を利用します。
「通常のフライは常圧で行いますが、それでは成形性が維持できず、棒状のサクッとした食感が生み出せません。でも、フライヤーを密閉した閉空間にして真空状態で揚げると、これらは解決できます」(武島)
高い山の山頂では80度ほどでお湯が沸きますが、これは気圧が下がると液体の沸点が下がるため。つまり真空なら低い温度で調理ができるので、ポテトスティックの生地に厚みがあって、じっくり揚げても焦げません。ポテトチップスのようにスライスした薄い形状でなくとも、うまく揚げられるというわけです。
ただ、「金のポテト」の揚げ温度は微調整を施し、低温といってもやや高めとしています。理由は香ばしい揚げ感(メイラード感)を付与するため。真空フライは野菜チップスやバナナチップスなど、厚みがありつつ焦げを避けたい食材で採用されますが、ここではあえて、フライドポテト的な香ばしさを作り出すために、通常とは異なる使い方をしているのです。

●競合商品とはまったく異なる方向性を目指す
「金のポテト」を口に入れて最初に感じるのは、食欲をそそる香ばしさ。と同時に、塩のパンチとサクサク食感が口を楽しませます。
咀嚼を進めると、次第に芋のうまみがじゅわじゅわと滲み出てきます。明らかに、競合商品の食味とは異なる方向性、完全に別の仕上がり。芋感がとても強く、食事に近い。スナック菓子というよりポテトフライ寄り。つまり軽食です。
「試作品で何度も調査をしましたが、競合商品をなかなか超えられない時期もありました。調査対象のユーザー全員に『あっちのほうが美味しい』と言われ、何度もショックを受けて帰宅したんです(笑)」(中島)

そんな試行錯誤を繰り返し、ついに競合商品より高いスコアを記録しました。競合商品ユーザーだけを対象にした厳しい条件下の比較調査で、男女、年齢別、ヘビー/ミドル、あらゆるクラスタで「金のポテト」のほうが美味しいという結果が出たのです。快挙でした。
さらに、ハンバーガーチェーンや専門店のフライドポテトを好むユーザーからも、「代わりに食べてもいいかも」という声が出てきました。中島は「スナックの領域にとらわれない、新しい立ち位置の商品になれる」ことを確信したと言います。
フレーバーに関しても、フライドポテトの美味しさを体現する味わいとして「やみつき塩」と「王道のり塩」を選定しました。揚げたてポテトとの相性が抜群な塩味と湖池屋の看板でもあるのり塩味です。味付けも生地に練り込むのではなく、しっかりと外側に味がついているので、一口目からインパクトを感じることができます。

また、容器は競合商品のようなカップではなく、ホットスナックを彷彿とさせる変形箱型の形状とし、一度開封しても閉じられる「簡易リクローズ」仕様としました。カバンやリュックに入れても食べかけがこぼれないので、携帯性が高まっています。
「湖池屋がカップ系に参入するとなると、どうしても『競合商品の新しいやつ』『あれのまがいもの』みたいに見られてしまい、調査時点ではなかなかそのイメージを覆せませんでした。だから、まったく新しい製品として世に出したかったんです。そうするためにはどうするべきか、本当に考えました」(中島)

まったく新しいカテゴリのポテトスティックは、こうして誕生したのです。
●10年の悲願
中島は「普段スナックを食べない方にも、スナックってこんな進化してるの?とご満足いただけると思います」、武島は「湖池屋の老舗感や本格感を支持してくれる方々の『次の湖池屋は何をしてくれるんだろう?』というご期待に沿える商品です」と、それぞれに自信をのぞかせます。

湖池屋は2016年にリブランディングし、新生・湖池屋として生まれ変わりましたが、そのとき社長に就任した佐藤章にしても、会長の小池孝にしても、当時から「いつかは湖池屋も箱筒カップ商品を」と構想していました。そこから10年、悲願がようやく実ったのです。
振り返れば2017年、湖池屋はコモディティ化していたポテトチップス市場に「湖池屋プライドポテト」を投入し、プレミアムポテトチップスというカテゴリを新たに創出しました。
そして2026年、湖池屋はプレミアム成形ポテトスティックというカテゴリを新たに創出すべく「金のポテト」を投入します。新生・湖池屋の「第二章」を飾る、文字通り社運を賭けた肝いりの本商品は、必ずや箱筒カップ市場の活性化に貢献してくれることでしょう。
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