損害保険ジャパンの事故対応!現場を支える本社の組織的サポートの舞台裏

突然の事故。不安な気持ちで保険会社に電話をかけたとき、どんな対応をしてもらえたら安心できるでしょうか。
損害保険ジャパンでは今、事故対応のあり方そのものを、組織を挙げて見直す取組みを進めています。
きっかけになったのは、お客さまから届いた「もっと気持ちに寄り添ってほしかった」という声。
こうした声に対して、社内でどう受け止め、改善を進めているのでしょうか。
今回は、損害保険ジャパン・保険金サービス支援部の担当者に、全国の現場で進めている改善の舞台裏をじっくり伺いました。
年間数万件の声から見えてきた、ご不満の"本当の原因"
── 率直にお聞きします。「対応が冷たい」「事務的だ」というお客さまの声を、どう受け止めていますか?
私たちの部門では、年間数万件にのぼるアンケートやお客さまの声を、一件一件読み込んでいるのですが、読んでいて胸が痛くなることも正直あります。
ただ、そうやって丁寧に声を追いかけていくうちに、あることが見えてきました。
お客さまが不満を感じるのは、「結論そのもの」だけではなかった、ということです。
もちろん、法律上の賠償責任等に基づいた結論にご納得いただけないケースもあります。
でも、それ以上に多かったのは、結論に至るまでの説明が足りなかったり、お客さまの不安な気持ちにうまく寄り添えなかったり──いわば"伝え方のズレ"だったのです。
また、単に保険知識の量だけでなく、お客さまのご不安を汲み取る「傾聴力」が不足していたケースも含まれると考えています。
事故に遭われたお客さまは、当然ですが不安の真っただ中にいます。
そんなときに、こちらが淡々と手続きの話を始めてしまったら、「この人は私の気持ちをわかってくれない」と感じてしまいますよね。
私たち自身、そのズレに気づけていない場面がまだありました。
だからこそ今、組織全体でこの課題と向き合って、一つひとつ変えていこうとしているところです。
研修で最初に教えること
── その課題に対して、社員の教育ではどんな工夫をされているんですか?
新入職員や中途採用および他部署から異動してきたメンバーを対象に、研修を実施しています。
その研修では、一般的な業務知識や法律の知識、保険金の支払いのルールに加え、「お客さま視点に立つ」ことの大切さを伝えています。
また、電話応対スキルを学ぶ研修も実施し、聴く力・話す力を養うとともに、お客さまに寄り添った対応力を磨いています。
事故に遭われたお客さまが、今どんな気持ちでいるのか。不安なのか、怒っているのか、それとも悲しいのかをまず理解するところから始めています。
具体的には、お客さまの気持ちの変化ですね。
最初の不安をそのままにしておくと不信感に変わってしまう、というプロセスも研修に組み込まれています。
「最初の対応でしっかり傾聴し共感を示すことが、どれだけ大切か」を、頭だけでなく心で理解してもらえるまで、繰り返し伝えるようにしています。
お客さまの声を活かす取組み
── お客さま本位の業務運営を実現するために、本社からはどのようなサポートをしているんですか?
それはいま、私たちがとても大事にしているところです。
お客さまから寄せられる声は、本社のデータベースに蓄積し業務改善やサービス向上のための貴重な糧として活用しています 。
特に力を入れているのが、「全てをお客さまの立場で考える会社」の実現に向けて毎月すべての職場で実施している「お客さまを知る時間」の取組みです。
コールセンターに寄せられたお客さまの声を聴き、職場のメンバーと意見交換をすることで、お客さまの声に向き合い、お客さまの声に対する感度を高めています。
「困ったら、すぐ隣に相談して」が合言葉
── 担当者の方が一人で悩みを抱えてしまうこともあると思うんですが、そういうときはどうされているんですか?
事故対応は悩みが尽きない仕事ですから、一人で抱え込ませない仕組みをしっかり作っています。
まず、現場は5名程度のチーム制を敷くケースが多いのですが、一つの案件に対して、管理職や先輩社員が日常的に相談に乗れる環境を作っています。
「ちょっと困ってるんですけど」と声をかければ、すぐに誰かが一緒に考えてくれる。
そういう空気を大事にしています。
それから、システムの面でもフォローしています。
お客さまへの連絡遅延や漏れを防ぐために、専用の管理システムで対応事項や期限を把握しています。
うっかり忘れてしまうという人的なミスを、仕組みの力で防いでいます。
また、誰かが急に休んでも、他のメンバーがすぐに引き継げるように、対応した経緯を残すように徹底しています。
「あの人の案件」ではなく「チームの課題」として捉えることが、結果的に対応の安定感にもつながっていると思います。
医療の専門家や弁護士などの現場に駆けつけるプロたち
── 専門的な知識が必要な難しい案件には、どう対応しているんですか?
説明が難しいケースや、複雑な事情が絡む案件には、それぞれの分野の専門家と連携する仕組みがあります。
たとえば、ケガの状態や治療の妥当性を医学的に確認する医療の専門家や、車の損傷状態や事故の状況を技術的に検証する専門家、そして法律面からアドバイスをする弁護士。
こうした専門家が必要に応じて案件に関わり、組織全体で問題解決にあたる体制を整えています。
大事なのは、単に専門家に任せて解決を早めるだけが目的ではないということです。
専門家がどんなロジックで判断しているか、それをお客さまにどう噛み砕いて説明しているのか。
そのプロセスを、現場の担当者が間近で見て学ぶ、いわば実践の中で専門性を身につける仕組みでもあるんですね。
一つの案件への対応が、担当者の成長につながり、組織全体の底力が上がる。
とても大きな役割を果たしていると思います。
「冷たい」と感じさせてしまったら
── もしお客さまが「今の担当者の対応が冷たい」と感じてしまった場合、社内ではどう対応するんですか?
お客さまからそういったご指摘があった場合は、チームリーダー等が、これまでのやり取りの記録や通話の録音を確認して、どこに問題があったのかを客観的に検証します。
そのうえで、担当者本人と一緒に、言葉遣いや説明の仕方を振り返ります。
担当者としては丁寧に対応しているつもりでも、無意識の癖などが原因となっているケースが少なくありません。
声のトーンや間の取り方ひとつで、お客さまには冷たく聞こえてしまうことがあります。
自分では気づきにくい部分だからこそ、第三者の目でフィードバックすることが大切だと思っています。
そして大事なのは、フィードバックで終わりにせず、お客さまへ改めて丁寧にご説明とフォローを入れるようにしています。
「担当者と合わない」そんなときの対応方法は?
── どうしても相性が合わない場合はどうするんですか?
正直に申し上げると、どれだけコミュニケーションを工夫しても、お客さまと担当者の間で「どうしても合わない」ということは起こりえます。
そのような場合は、お客さまからご相談をいただいたうえで、状況を丁寧に確認させていただきます。
お客さまが本当にご不満に感じていることは何なのかをチームリーダーが慎重に見極め、そのうえで、担当者を変更したほうがよいと判断した場合は、速やかに対応します。
大事なのは、お客さまに安心していただくことです。
そこにこだわって、柔軟に動ける体制を整えています。
現場に届く「ありがとう」の力
── こうした地道な取組みが実を結んでいるデータはありますか?
はい、ありがたいことに、全国から集まる年間数万件のお客さまアンケートの中には、こんな声が寄せられているんです。
「こまめに経過を報告してくれたので、安心して待つことができました」
「スピーディーに対応してもらえて、本当に助かりました」
「正直、過失割合には悔しい気持ちもあります。でも、最後まで親身になってくれた担当の〇〇さんには感謝しかありません」
こうした声を聞くと、やっぱり嬉しいですよね。
ただ、私たちの仕事はここで終わりではありません。
お客さまの声を分析して、「どんな対応が、お客さまの安心につながったのか」を具体的に抽出しています。
そして、成功のポイントを全国の現場にフィードバックや共有することで、組織全体のモチベーションとサービスの質を、少しずつ着実に上げていく。
この繰り返しが大切だと考えています。
「損保ジャパンでよかった」目指す未来
── 最後に、これから目指していることを聞かせてください。
私たちがこれからもやり続けるべきことはシンプルで、データと仕組みに裏打ちされた、ブレないサービス品質を届け続けることです。
本社が作った仕組みと、全国およそ9,000人の現場の力。
この二つがしっかりかみ合ったとき、お客さまに「損保ジャパンでよかった」と心から思っていただけるサービスが実現できると信じています。
一歩ずつ、着実に、これからも改善を続けていきます。
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