「可能性への挑戦」を、生徒一人ひとりの行動へ ~FCE「7つの習慣J®」でつなぐ、啓新高等学校の理念と生徒の成長~

全国の学校には、それぞれが長年にわたり大切に受け継いできた建学の精神や、目指す生徒像があります。私たち株式会社FCEは、「7つの習慣J®」によるご支援を通じて、先生方との対話を重ねながら、その学校らしい教育の実現と、生徒たちの主体的な成長に伴走し続けることを大切にしています。 


その歩みを象徴する学校の一つが、福井県福井市の啓新高等学校です。同校では、建学の精神や校訓を教育の土台としながら、生徒一人ひとりが自らの可能性を信じ、挑戦を重ねて成長していくことを大切にされています。 


女子校から男女共学へと大きく変わる転換期に導入された「7つの習慣J®」は、単なる授業プログラムにとどまりません。担任や学年が変わっても、生徒に大切な価値観を一貫して伝え続けるための「共通言語」として、学校の日常に根づいてきました。 

今回は、荻原理事長と石橋先生へのインタビューを通じて、啓新高等学校が大切にする「可能性への挑戦」と、「7つの習慣J®」がどのように結びつき、生徒・教職員・学校全体の文化へと育まれてきたのかを伺います。 

教育の「根源」と出会い、生徒の可能性を信じる 

「建学の精神は幹であり、校訓は土台のようなものです」 

 そう語るのは、啓新高等学校の荻原理事長です。理事長は毎週月曜日の校長講話を通じて、生徒たちに建学の精神や校訓につながるメッセージを届け続けています。 


 新保氏「理事長は、建学の精神や校訓を、生徒たちにどのように伝えていらっしゃるのでしょうか?」 

 荻原理事長「入学生に対して、『ひまわりの種』を題材にしたお話をしました。一年生が入学する際に巨大ひまわりの種を渡し、『いつか必ず、自分の可能性が花開くときが来る』と伝えます。そして実際に種をまくことで、生徒たちに成長の意味を考えさせます。人の成長は、すぐに目に見えるものではありません。でも、挑戦を重ねていれば、いつか自分でも気づかなかった可能性が開く瞬間が来る。自分の可能性を見つけたなら、それを世のため、人のために生かし、さらに自分を磨いていく。そういう生き方が大切だと思っています」 


 新保氏「生徒たちには、自分自身の可能性と、どのように向き合ってほしいと考えていらっしゃいますか?」 

荻原理事長「人と比較するのではなく、自分自身を成長させていく楽しさを感じてほしいと思っています。自分の可能性を見つけ、それを生かしながら生きていくことが大切です」 


 新保氏「そうした教育観は、以前からお持ちだったのでしょうか?」 

 荻原理事長「いえ、理事長に就任したころは、何を根源として教育していくのかは十分に見えていませんでした。建学の精神や校訓を、日々の教育にどうつなげていくのか、模索していた時期がありました。そうした中で出会ったのが、『7つの習慣J®』でした」 


 新保氏「『7つの習慣J®』との出会いによって、何が変わったのでしょうか?」 

 荻原理事長「『7つの習慣』を学ぶことで、自分の中にも柱ができましたし、建学の精神や学校のスローガンがなぜ大切なのかを、より深く理解できるようになりました。教育理念を掲げるだけではなく、それを生徒の行動や生き方につなげていく。『7つの習慣J®』は、そのための大切な柱になっていると思います」 

学校の転換期に始まった、新たな教育への挑戦 

啓新高等学校が「7つの習慣J®」を導入したのは、女子校から男女共学へと大きく転換する時期でした。

少子化や学校を取り巻く環境が変化する中で、女子校のままでは生き残ることが難しいかもしれないという危機感がありました。一方で、新しい学校をつくるのだという期待もあったといいます。進学コースを独自化し、生徒や保護者に選ばれる魅力をつくるために、啓新高等学校は「人として成長する学び」を教育の中核に据えることを決めました。


荻原理事長「多くの学校が『部活動と勉強の両立』を掲げます。その中で、啓新高等学校ならではの進学コースをつくりたかったんです。特に部活動に打ち込む生徒にとっては、自分自身の変化や成長を実感しやすい学びになるのではないかと考えました」


導入当初、ファシリテーターは荻原理事長ただ一人でした。「人に任せるなら、まずは自分が深く学ばなければならない」と、自ら授業を担当。生徒に伝わりやすいようにスライドを工夫し、スポーツ選手のエピソードや新聞記事、雑誌の切り抜きも積極的に取り入れました。

オリンピックや大会の時期には、一流選手の言葉や姿勢を紹介しながら、「この考え方は7つの習慣で言えば何につながるだろう」と生徒に問いかける。社会で起きている出来事と学びを結びつけることで、抽象的な言葉を現実の行動として理解できるようにしていきました。


荻原理事長「とにかく、楽しく授業をやったという思い出しかありません。生徒たちの身近にあるものと結びつけながら伝えることで、学びが自分ごとになっていったのだと思います」

研修を通じて見えた、担任だからこそ届けられる学び 

現在、進学コースで中心的な役割を担う石橋先生も、最初から積極的に「7つの習慣J®」に関わっていたわけではありません。 

運動部の顧問として多忙な毎日を送る中、ファシリテーター養成研修への参加を勧められた当初は、「さらに仕事が増えるのではないか」という不安がありました。夏休みには遠征もあり、日々の部活動指導にも追われる中での研修参加。率直に言えば、「いやいや」という気持ちもあったと振り返ります。 


しかし、実際に研修を受けると、その印象は大きく変わりました。理論を学び、模擬授業を繰り返す密度の濃い時間の中で、「この学びを自分たちの学科コースでどう生かせるだろう」と考えるようになったといいます。 


石橋先生「研修を受ける中で、これは担任がやるべきことなのではないかと思うようになりました。生徒たちは日々、さまざまな壁やハードルにぶつかります。その変化を一番近くで見ているのは担任です」 

生徒の心が動く瞬間に、学んだ言葉を返してあげられるか。授業で「教える」だけではなく、日常の中で「生かす」ことができるか。石橋先生は、そこにこのプログラムの大きな価値があると感じました。 


石橋先生「外部の先生が一度教えるだけでは、ここまでの手応えはなかったかもしれません。生徒が悩んでいるとき、挑戦しようとしているとき、友人関係でつまずいたときに、担任が共通の言葉で寄り添える。その積み重ねが大切だと思います」 

多忙な先生方に研修の価値を伝え、協力を得るまでには苦労もありました。それでも、三学年を見通してファシリテーターがそろう体制が整うと、進学コースには確かな一体感が生まれていきました。 

担任が変わっても受け継がれる、「学科の柱」 

石橋先生は、特進コースの担任を経て、新たに誕生した進学コースのコース長に就任しました。学科コース再編という大きな節目に、「7つの習慣J®」を新コースでも継続するかどうかを決める立場になったとき、石橋先生は継続を選びました。 

その背景には、担任として生徒と向き合う中で感じてきた課題がありました。担任が変われば、生徒にかける言葉も変わります。大切にしたいことは同じでも、先生ごとに表現や価値観が異なれば、生徒に一貫して伝えることは容易ではありません。 


石橋先生「一年生、二年生、三年生と同じ担任が持ち上がるとは限りません。伝えたい大事な部分は同じはずなのに、先生ごとに言葉が違うと、なかなか統一できない難しさがありました」 


一方で、「7つの習慣J®」という共通の言葉があれば、どの先生から伝えられても、生徒は同じ価値観につながるメッセージとして受け取ることができます。 

石橋先生「統一して実施することで、どの先生が言っても通じる共通言語ができます。先生方にはそれぞれの価値観がありますが、『自分たちの学科コースはこれを大事にしている』という柱を、何十年経っても変わらない形でつくることができる。それは組織として非常に大きいことだと思います」 


誰か一人の先生の熱意に頼るのではなく、組織として生徒を育てていく。担任や学年が変わっても、生徒に伝えたい本質は変わらない。啓新高等学校では、「7つの習慣J®」が学科コースの教育方針を日常へとつなぐ役割を担っています。 

「多数決」の先へ――相手を理解し、「第3の案」を探す 

導入から約17年。石橋先生が生徒たちの変化として強く感じているのは、クラスで意見が対立したときの姿勢です。 

以前であれば、学校祭の企画などで意見が割れた際、「お化け屋敷をやりたい人」と「飲食企画をやりたい人」が対立し、最後は多数決で決めるか、別々に実施するかという結論になりがちでした。 

しかし現在の生徒たちは、すぐに多数決へ進む前に、「第3の案」を探そうとします。 

石橋先生「単に自分の主張をするのではなく、相手がなぜその意見を言っているのか、その奥にある目的や思いを聞こうとする姿勢があります。最初から多数決に逃げず、まず相手を理解して、一緒に考えようとする。これは非常に大きな変化だと思います」 


もちろん、第3の案を見つけることは簡単ではありません。それでも、自分の主張を通すことや、相手に譲ることだけが解決ではないと知っている生徒たちは、双方が納得できる新しい選択肢を考えようとします。 

この変化は、学校祭のような特別な場面だけではありません。日常の何気ない会話の中でも、生徒たちの口から「Lose-Win」といった共通の言葉が自然に出てくることがあるといいます。担任が日頃から学びを言葉にしているからこそ、生徒自身も考え方を使いこなせるようになっているのです。 

「可能性への挑戦」を、一生の財産にするために 

荻原理事長が生徒たちに願うのは、「真・善・美」を兼ね備えた「一隅を照らす存在」になることです。 

自分の可能性を信じ、挑戦する。うまくいかないときにも人のせいにせず、自分にベクトルを向ける。固定観念を捨て、自ら動くことで周囲を変えていく。その積み重ねが、自分の人生を輝かせる力になると語ります。 


荻原理事長 「私がずっと言い続けているのは、『挑戦』というマインドです。前に前に、アグレッシブに挑戦していくこと。そして、うまくいかないときにも人のせいにするのではなく、常に自分にベクトルを向けることが大切です」 

こうした考え方は、「7つの習慣J®」の学びと深く結びついています。自分で選択し、主体的に行動すること。自分だけでなく、相手のことも理解し、ともによりよい未来をつくること。啓新高等学校が生徒たちに届けているのは、卒業後も自らを支える「人間としての柱」です。 


荻原理事長 「どんな場所でもいいので、自分の可能性を発揮して、一隅を照らす存在になってほしいですね。そういう人が一人、二人、三人と集まれば、必ず地域は明るくなっていくと思います」 

どのような職業に就いても、自分の仕事と人生に誇りを持ち、それぞれの場所で輝く。啓新高等学校が目指すのは、そんな人材の育成です。 

理想の教育を、ともに形にする伴走者として 

啓新高等が濃くが大切にしてきたのは、生徒一人ひとりが自らの可能性を信じ、挑戦を重ねながら成長していくことです。「7つの習慣J®」は、その思いを生徒・教職員の皆さまが共有し、日々の行動へとつなげる共通言語の一つとなってきました。 

理事長が語る教育への思いは、石橋先生をはじめとする先生方へと受け継がれています。担任や学年が変わっても、生徒たちに大切なことを伝え続ける「学科の柱」として、学校の日常に根づいています。 

私たちFCEが目指すのは、教材やプログラムを提供することだけではありません。それぞれの学校が長い時間をかけて育んできた教育理念に耳を傾け、先生方との対話と実践を重ねながら、その学校ならではの理想の教育を形にしていくことです。 

自ら考え、自ら選び、他者と協働しながら未来を切り拓く子どもたちを育てるために。私たちFCEはこれからも、啓新高等学校をはじめ、教育に情熱を注ぐ全国の学校の皆さまとともに、子どもたちが自分らしく可能性へ挑戦できる未来を創ってまいります。 


※『7つの習慣』及び「7つの習慣J®」はフランクリン・コヴィー・ジャパン社の登録商標です。 







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