“つながらない”が授業を止める⁉ ~セカンドGIGAで進むICT活用と、学びを支える通信環境の重要性~

GIGAスクール構想により、2020年度頃から全国の学校でICT環境の整備が進められてきました。現在では、学校現場で子どもたち一人ひとりに配布された端末を活用し、デジタル教科書やクラウド教材を使った授業が行われるようになっています。
そして今、ICTは特別なものではなく、授業の中で欠かせないものになりつつあります。
一方で、「児童・生徒が一斉に端末を利用するとつながらない」「動画が途中で止まる」など、ネットワークの不安定さによって授業がスムーズに進まないといった課題も見えてきました。
本コラムでは、セカンドGIGAによって進む学校でのICT活用を背景に、学校現場で顕在化している「つながらない」という課題に着目し、その要因とともに、安定した学びの環境を実現するためのポイントについて整理します。
● “つながらない”という課題
ICT活用の本格化に伴い、これまで目立たなかったネットワークや通信環境に関する課題も浮かび上がっています。

「一斉にアクセスしたら動かない」
「動画が止まる」
「画面がなかなか表示されない」
こうした声は、学校現場の方々とお話しする中で耳にする機会が増えています。
実際に、文部科学省の検討資料でも、学校のICT環境におけるネットワークの課題や、その改善の必要性が示されています。
(出典:文部科学省「GIGAスクール構想の成果と課題」第1回 次期ICT環境整備方針の在り方ワーキンググループ2023年6月8日)
ICT環境の整備が進んだ今、「つながること」を前提とした学びの環境だからこそ、通信環境の安定性はこれまで以上に重要になっているのではないかと考えます。
● “つながらない”はなぜ起きるのか
特に授業中は、児童・生徒が同時にデジタル教科書やクラウド教材へアクセスする場面が多くあります。こうした一斉アクセスは学校特有の利用形態であり、ネットワークに大きな負荷をかけます。
1台ずつ利用しているときは問題がなくても、クラス全員が一斉にアクセスすることで通信が集中し、表示の遅延や接続不良が発生することがあります。

また、実際の教育現場では、
- 一斉に調べ学習を実施した際に通信が停止
- デジタル教科書利用時に表示が止まる
- オンライン授業中に映像が途切れる
といった場面も見られます。
ICT活用が進むほど、安定したネットワーク環境は学びを支えるために欠かせないものになっているのではないでしょうか。
● ICTは「ある」から「使える」へ
こうした状況を受け、文部科学省も「端末を活用するためには十分なネットワーク速度の確保が重要」と示しています。
さらに、文部科学省の調査によると、推奨される通信速度を満たしている学校は一部にとどまっており、依然として多くの学校で環境整備が課題となっています。
(出典:文部科学省「学校のネットワークの現状について」2024年4月)
ICTはすでに「ある」ものになりました。
これからは、それを授業の中で止まることなく「使える」環境づくりが重要になっています。
● 授業を支える“見えない通信環境”

ICTは、端末やソフトウェアといった目に見える部分に注目が集まりがちです。
しかし実際には、その裏側にあるネットワークや通信環境が、ICT活用を支えています。
特に重要なのは、一斉利用によるアクセス集中が発生しても、安定した通信を維持できるかどうかです。
こうした環境が整っていなければ、せっかく端末や教材が用意されていても、授業の中で十分に活用することができません。
授業を止めず、ICTを安定して活用するためには、目に見える機器だけでなく、それらを支える通信環境にも目を向けることが重要ではないでしょうか。
● 学びを止めないための工夫
こうした課題に対しては、回線を増強するだけでなく、通信の負荷を減らすための工夫も重要になります。
たとえば、一度取得した教材データを校内に保持し、複数の端末で効率よく利用できるようにする仕組みがあります。
このような仕組みは「キャッシュ機能」と呼ばれ、多くの端末が同時に利用する際の通信集中を緩和し、ネットワークの負荷軽減につながります。
「キャッシュ機能」は、同時利用による遅延を防ぎ、授業をスムーズに進めるための重要な役割を担っています。
● これからの学校ICTに求められるもの
セカンドGIGA時代において、学校でのICT活用が広がる中で求められるのは、子どもたちがストレスなく学べること、そして何より授業が止まらないことです。

そのすべてを支えるのは、安定した通信環境ではないでしょうか。
ICT活用が本格化している今だからこそ、授業の中で安定してICTを利用できる環境づくりが重要になっています。
そのためには、回線を増強するだけでなく、通信の負荷を抑えながら安定した利用環境を実現するための工夫も欠かせません。端末や教材といった目に見えるものだけでなく、それらを支える通信環境にも目を向けることが大切です。
安定した通信環境を整えることが、子どもたちの「学びたい」を支えることにつながるのではないでしょうか。
● 学校ネットワークアクセス管理装置「NetSHAKER W-NAC」による通信負荷対策
通信環境を安定させるためには、回線を増強するだけでなく、通信の負荷を抑える仕組みを取り入れることも有効な方法の一つです。
こうした課題に対応するソリューションの一つが、学校ネットワークアクセス管理装置「NetSHAKER W-NAC」です。
「NetSHAKER W-NAC」は、学習用デジタル教科書のデータをキャッシュして一時保存する機能を備えています。
これにより、児童・生徒が学習用デジタル教科書を一斉に利用する際でも、学校とクラウド間の通信負荷を軽減し、通信遅延のリスク低減を支援します。
こうした仕組みは、子どもたちの学びを止めない環境づくりを支える一つの方法です。

● さいごに
GIGAスクール構想によって端末整備が進み、学校でのICTの活用は新たな段階に入りました。
セカンドGIGAの時代を迎えた今、求められているのは端末を導入することだけではなく、それらを日常的な学びの中で安定して活用できる環境を整えることです。
デジタル教科書やクラウド教材の利用が広がる一方で、「つながらない」「遅い」といった通信環境の課題も見えています。
こうした状況の中、教育現場では「どのような端末を使うか」だけでなく、「それを安定して活用できる環境をどう整えるか」が重要になっています。
子どもたちの「学びたい」という気持ちを止めないためには、端末や教材といった目に見えるものだけでなく、それらを支える通信環境にも目を向ける必要があります。
私たちはこれからも、学校現場の声に耳を傾けながら、授業を止めない学びの環境づくりに貢献していきたいと考えています。
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