掛け軸の修復費用を捻出するために販売を始めた御朱印(左)やトートバッグ(中央)。右は「総覧 願成院愛染堂の歴史と宝物」=竹田市竹田
【竹田】竹田市竹田の国指定重要文化財「愛染堂(あいぜんどう)」を本堂とする寺・願成院(がんじょういん)に伝わる掛け軸の修復費を捻出するため、同寺の美化活動などに取り組む市民有志団体「愛染堂保存会」(衛藤頼光会長)が、御朱印とトートバッグの販売を始めた。
市教委によると、愛染堂は岡藩2代藩主中川久盛が1635年、大勝院(当時)に建立した。1865年に大勝院は廃止されたが、74年に旧岡城にあった願成院が現在地に移転し、愛染堂が本堂になった。
同寺と近くの観音寺の住職を務める後藤幸雄さん(79)によると、二つの寺には計200~300ほどの宝物が伝わる。後藤さんは私財を投じ、狩野探幽の掛け軸や真言宗の高僧・慈雲尊者の書簡を修復した。
今回、修復しようとしているのは現在の大日如来の前に本尊だった愛染明王が描かれた掛け軸「天弓愛染明王像」(本紙縦118センチ、幅70・6センチ)。箱書きによると、大和国郡山藩(現奈良県)の柳沢保光が慈雲尊者に拝ませたものとされる。慈雲尊者と願成院の住職の法類関係が縁で、もたらされた。
傷みが激しいことから昨年、後藤さんが「総覧 願成院愛染堂の歴史と宝物」を刊行し、販売益や檀家(だんか)の支援で修復費を調達している。掛け軸は現在、佐伯市の文化財保存修復学会員の首藤弘樹さん(62)が、にかわを塗って絵を定着させるなど作業を進めている。
新グッズ販売は同保存会の藤野めぐみさん(54)が提案した。御朱印ははがきサイズ(税込み300円)で、後藤さんが祈とうし、一つ一つ火炎をモチーフにした印を押す。愛染明王や大日如来が描かれた3種類を用意した。愛染明王の絵をあしらった藍色のトートバッグ(同千円)もある。
いずれも市内竹田町の「竹田キリシタン館」で購入できる。後藤さんは「由緒ある品を次の時代に残したい」と話した。
問い合わせは同保存会(0974-63-2638)。