祭りで販売するコメを手にする首藤和博区長=29日、由布市挾間町朴木
コメの品薄により価格が高騰した「令和の米騒動」から2年。一転してコメ余りとなり、価格は下落し続けている。米農家からは「採算に合わない」の声が聞こえ、離農者の増加が懸念される。将来にわたりコメ作りは維持できるのか―。模索する県内での取り組みを追う。
由布市挾間町朴木地区。寒暖差のある気候と由布岳・鶴見岳の麓から流れる清らかな水、粘土質の保水力のある土壌で約35軒がコメを育てる。高齢化が進み40年ほど前に比べ半数に減った。現役は60代後半から70代が中心という。2・5ヘクタールの水田を耕す区長の首藤和博さん(66)は「10年後は何軒が作っているだろうか」と危惧する。
同地区では、適正価格で取引できるようブランド化し、米作りが続けられる環境をつくろうと昨年から取り組みが始まった。旧朴木小で活動する団体でつくる「朴木小学校連絡協議会」と住民が「ホオノキ米販売プロジェクト」として秋祭りに新米を販売。昨年はスーパーのコメが高騰する中、玄米30キロ1万7千円で売り、すぐに完売した。
今年は11月1日に開き、1万5千円で販売する。同プロジェクトメンバーの榎園歩希さん(48)は「おいしさを伝え、継続して購入してもらいたい。売れればモチベーションにつながるはず」と話す。肥料や資材、燃料など経費は高騰する一方で、コメの販売価格は下がっている。出荷先が示す価格に振り回されることなく安定経営ができるよう、将来的には農家それぞれが顧客を持ち直販できるような仕組みづくりをすることが目標という。
「耕作放棄地を広げないよう地域の米作りや水路などを知っている人が健在なうちに引き継いでいかないといけない」と次世代育成にも目を向ける。「これから米作りを始めようとする人のためにも販路を開拓しておけるといい」
首藤区長は祭りで50袋ほどを売る予定。「朴木のコメを知ってもらう機会になるといい」と期待している。
(池田美香)
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