一羽のニワトリから見た人間社会を、シニカルな視点を交え描いたドラマ。 主人公は養鶏場で生まれ育った黒いメス。出荷用のトラックに乗せられていたところ、ハトが自由に生きる姿を目撃。脱走してしまう。 食べものを求めてさまよい、キツネに追いかけ回される。ひなびた食堂に流れ着いた彼女は、敷地内の鶏小屋で飼育されることに。そこで、一羽のオスと出会い、引かれ合う。 主人公の「ケッコー」な名演に注目。人語を解すわけではないが、喜怒哀楽がはっきりと伝わってくる。もし、せりふがあったなら、何と言っていたのだろうかと想像しても面白い。 冒頭紹介される、小林一茶「露の世は露の世ながらさりながら」の句が象徴的。人の命ははかない露のようだとうたったものだ。 主人公は愛の結晶である卵を産んでも、毎朝人間から食用として採取されてしまう。その人間たちは、事件や事故であっさりと命を落としてしまう。生きることって何なのだろう。考えさせられる一本だ。 シネマ5bisで24日(土)~30日(金)の午後1時。 ◇ ◇ ◇ 「大分合同新聞ムービーアワー」は厳選した映画をお届けするプロジェクト。テーマや話題性を吟味した作品を週替わりで上映します。
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