わんぱく相撲全国大会の小学6年生個人の部で優勝した渡辺日翔さん(中央)=大分市横尾
【大分】第41回わんぱく相撲全国大会(8月2日、東京都両国国技館)の小学6年生個人の部で、大分市大在東小6年の渡辺日翔(にちと)さん(12)が優勝した。県勢として、同大会で初の快挙。横綱を目指して稽古に励み、病と闘う父への思いを力に変えた。
大会は小学生相撲の三大タイトルの一つ。各地の地区予選を勝ち抜いた4~6年の選手267人が参加し、学年別に個人戦と団体戦で日本一を競った。
昨年は準優勝で涙をのんだ。大会では「緊張せず、冷静にいこう」と言い聞かせ、集中力を研ぎ澄ました。決勝の土俵では、鍛え上げた粘り腰で相手を捕らえた。豪快な上手投げを繰り出した瞬間、「技がはまった。勝った」と確信した。
所属する「はじめ相撲道場」の秋岡孔明監督(36)は「立ち合いの強さ、豪快な投げは見ている人を魅了する。実直さ、相撲仲間に敬意を払う姿勢が結果につながった」とたたえる。
約3年前、テレビの大相撲中継で霧島関の優勝を見て、「かっこいい」と相撲を始めた。かつては敗れるたびに悔し涙を流していたが、道場で四股やすり足など、週2回、約2時間半の稽古を一度も休まず続けた。身長は170センチ、体重は84キロで、小学生離れした体格へと鍛え上げた。
誰よりも近くで応援する父哲宏さん(43)は昨年、病に倒れてリハビリ生活を送る。日翔さんは「勝ち姿が一番の薬になる」と信じ、優勝が決まった瞬間、最高の笑顔で力強く握手を交わした。
祖父母らが暮らす同市佐賀関は昨年11月、大火に見舞われた。「じいちゃんやばあちゃん、知り合いが喜んでくれることが励み」と、被災地復興への思いも背負って土俵に上がる。
優勝後、大相撲の雷部屋を訪れ、現役力士に胸を借りた。ぶつかった瞬間に感じた力士の重みは、新たな刺激となった。「夢は横綱」と話し、次なる頂へ向かって稽古を重ねている。