関ばっくすのマスターの渡辺忠孝さん(右奥)とキーホルダーを作りながら会話を楽しむ住民=18日、大分市佐賀関
【大分】昨年11月18日に大分市佐賀関で発生した大規模火災で被害を受けた田中地区に焼け残った田中公民館で、住民らにコーヒーを提供する「関ばっくす」がオープンして21日で半年を迎えた。被災した住民らでつくる田中連合区(宮田哲連合会長)が運営。地元の社会福祉協議会員や地区内外の計約20人がボランティアとして手伝い、交流の拠点となっている。
「いらっしゃい」と訪れた人を出迎えるのはマスター兼公民館長の渡辺忠孝さん(65)。発災後、自身も身を寄せた避難所の佐賀関市民センターに設置されたコーヒーメーカーでコーヒーを振る舞っていた。
昨年末に避難所が閉鎖された後、コーヒーを飲みながら住民が集まる場所が欲しいという声が上がった。佐賀関にいつでも戻ってきて(カムバック)との思いで「関ばっくす」と命名し、2月21日に同連合区が開設。毎週土日曜と祝日、再び火事が起こらないようにという願いを込めて定めた「祈念日(きねんび)」の毎月18日に開いている。
佐賀関地区社会福祉協議会事務局長の二宮みどりさん(70)は「何度も顔を合わせることで被災した人と打ち解けることができた。佐賀関では昔から海辺で集まっておしゃべりする姿があり、ここでも集まった人同士が何げないことを笑顔で話している」と語る。
訪れた住民はコーヒーを飲みながら顔なじみと会話したり、関あじ・関さばをモチーフにしたキーホルダーを作ったりして過ごす。
近くの敷嶋米子さん(74)は「買い物以外で出かける良い機会。話したことのなかった顔見知りとも会話するようになった」。赤峯八千代さん(66)は「コーヒーを飲みながらおしゃべりができるのが楽しいし、いい息抜きになってる」と足しげく通う。
渡辺さんは提供する飲み物の用意や公民館で催されるイベントの準備など多岐にわたる役割を果たす。「住民同士で情報交換や互いの様子を確認できる場所になった。いろんな人が訪れ、さまざまな行事が行われ、あっという間の半年だった」と話した。