院内にクラウドファンディングを設置。支援を呼びかける末延聡一院長=別府市の西別府病院
【別府】別府市荘園町の国立病院機構西別府病院のスタッフが、人工呼吸器や胃ろうなどの医療行為が日常的に必要な医療的ケア児・者と家族を支えるプロジェクトを立ち上げた。受け入れ態勢を拡充し、ショートステイ(短期入所)などの環境整備を図る。安全な入院生活を送るための高度な設備を導入するためクラウドファンディング(CF)で寄付を募っている。
同病院によると、県内には200人を超える医ケア児が在宅で生活。県内の基幹病院は医ケア児が繰り返し入院することで病床が逼迫(ひっぱく)する課題を抱えており、同病院も相談を受けていた。地域医療に貢献できないかと、病状が落ち着いた際の受け入れ先として拡充を決めた。
同病院への受け入れに関する相談が多い乳幼児、重症の医ケア児・者が安心して過ごせる環境を整えようと、専用の5床を確保。CFを通して容体の変化をリアルタイムで察知する「生体監視モニター」の導入や救急機材を充実させ、本年度中の稼働を目指す。
体調を崩した際や家族を支えるショートステイ、レスパイト入院も充実させ、24時間体制で見守りを続ける家族の負担軽減を図る。18歳を超えた医ケア者も受け入れ、切れ目ない支援体制を整える。
CFの取り組みは物価や人件費の高騰、人材不足などを背景に病院の運営が困難なことから、末延聡一院長(60)がプロジェクトリーダーとなり多職種が連携して立ち上げた。行政の支援も求めていく。
末延院長は「在宅で頑張っている医ケア児・者や家族がたくさんいる。安心して相談・入院できる場が必要。県内で医ケア児・者を支援するシステムが拡充していくことを願う」と話している。
寄付は500万円を目指す。CFサイト「READYFOR(レディーフォー)」で9月18日まで支援を募っている。「西別府病院 クラウドファンディング」で検索する。
<メモ>
西別府病院は271床があり、100人以上が人工呼吸器を装着。多くの患者が胃ろうなど非経口の栄養管理を受けている。昨年度から看護師特定行為研修を開講するなど、教育にも力を入れている。