電卓競技・読上算で高校生日本一になった川野隆哉さん
【大分】大分市千代町の大分東明高3年の川野隆哉さん(17)が「第72回全国高校ビジネス計算競技大会」の電卓競技・読上算で優勝した。県勢では初めて。珠算から電卓に転向し、わずか1年で高校日本一の達成に「昨年は出場すらできなかった。絶対に優勝すると宣言していたので実現できてうれしい」と喜んでいる。
大会は全国商業高校協会の主催。7月24日に横浜市で開かれ、電卓競技は、出題者が読み上げる数字を電卓に打ち込み瞬時に答えを導き出す読上算と、応用計算があり、各都道府県の代表235人が出場した。
読上算には正確さやスピード、聞く力が求められる。決勝は6~12桁。不正解者が脱落していく勝ち抜き方式で周りの状況がつぶさに分かるため「手が震えるほど緊張した」と振り返る。1問ごとにゆっくりと息を吐き、会場にいる同高珠算・電卓部の仲間たちを見て心を落ち着かせ栄光をつかんだ。
小学1年からそろばん教室に通い、中学で一度離れたが高校1年の夏、担任教諭に勧められ、軽い気持ちで入部したという。
珠算競技では思うように結果が出せず、2年の夏、顧問の竹島広道教諭のアドバイスで電卓に転向した。最初は気乗りしなかったが、ライバルの同級生や昨年の同大会・珠算競技で優勝した先輩の存在に背中を押された。「仲間がいるから練習が楽しいし、頑張ろうという気持ちになれた。難しい問題が解けたときの達成感もモチベーションにつながった」と満足そう。
竹島教諭は「真面目なのが取りえ。生徒会長を務めながら、勉強と両立してよく頑張った」とたたえる。
得意科目は地理歴史・公民。数学は大の苦手という。川野さんは「緊張を乗り越える力や集中力で大学受験を突破し、将来は電卓技術を生かせる仕事に就きたい」と笑顔で話した。