優秀賞に選ばれた津久見高の後藤教諭(右)と在校生ら=津久見高
【津久見】津久見市の津久見高卒業生が考案した就職支援アプリケーションが、第3回日本ノーコード大賞の優秀賞に選ばれた。全国の自治体や企業のDX(デジタルトランスフォーメーション)推進にかかる取り組みを表彰するもので、教育機関の受賞は初めて。
大賞はノーコード推進協会(東京都)の主催。ノーコードは、専門的なプログラミング知識がなくても、アプリを簡単に作成できるシステム。書類整理やスケジュール管理といった業務を効率化する目的で活用されている。
今年3月に卒業した生産機械科の男子生徒4人が、在学中に課題研究で取り組んだ。木や金属を使ったものづくりをテーマにする同級生が多い中、後輩たちの進路選択に役立つものを作りたいとの思いで、アプリ開発に挑戦。IT企業「インターパーク」(本社・札幌市)の社員がサポートした。
アプリ名は「津高Works」。卒業生の進路先情報が一覧で表示される。就職が決まった生徒が企業概要や試験内容を登録してデータを蓄積し、同高の後輩や教員限定で閲覧可能にする。「先輩の志望動機なども見ることができ、とても参考になる」と、現3年生から好評という。
7月中旬に東京都で表彰式があり、同科主任の後藤孝一郎教諭が出席。就職ミスマッチの課題解決を目指した点や、「後輩のために」という制作の背景が評価された。
後藤教諭は「ノーコードツールは低コストで導入でき、教育モデルとして再現性が高い。アプリを後輩に引き継いでいくとともに、他校への共有、企業とのマッチング支援などに波及できれば」と話した。
制作者の一人、入江佳大さん(19)は受賞の報告を受け、「サポートしてくれた先生や企業の方、一緒に活動したメンバーに感謝したい。行き詰まって苦労した時もあったが、完成した時の達成感は高校生活最高の思い出」と喜んだ。