草原を見渡すモニュメントの前で記念写真に納まる来場客=九重町田野の「NU:KUJU」
【九重】九重町田野の観光牧場「九重やまなみ牧場」(安部道和社長)が、「NU:KUJU」(ヌークジュー)として新装オープンした。「NU」はフランス語で「ありのまま」という意味。約30ヘクタールの敷地にはヒツジやヤギ、ウマ、ウサギなどと触れ合える草原が広がり、飯田高原の「ありのままの自然」を楽しんでもらう施設に一新された。
同牧場は2001年、地元畜産農家が共同管理する牧草地の有効活用策としてオープン。牧羊犬の実演などが人気を呼んだが、来場客が年々減少していた。
打開策を探ろうと、さまざまな企業のブランディングを手がけるサン・アド(東京)と連携。同牧場の創業者、安部武己会長(84)の「牧野を守る」という思いを尊重し、方向性を転換することを決めた。
リニューアルでは、くじゅう連山と一体化した風景を重視し、木を移すなどして見通しを良くした。動物と来場客が同じエリアで触れ合う「自由放牧」を導入。「丘の展望台」など来場客が思い思いに過ごせる空間を設けた。
他にも、摘み取りができるブルーベリー畑や「宿根草」を取り入れた庭園、乳製品や県内の特産品を統一デザインで並べた売店、ジビエを使ったホットドッグを提供するレストランなどがある。
今月中旬のオープニングセレモニーで、安部社長(54)らが「まだ未完成。お客さまの声を取り入れながら挑戦を続けたい」とあいさつした。
佐賀県から家族3人で訪れた竹之下結さん(9)は「ヤギがかわいかった。また来たい」と話した。
開場は午前9時~午後5時。水曜定休(夏休み中は無休)。入場料は高校生以上千円、小中学生500円、未就学児無料、同伴犬500円。問い合わせは同牧場(0973-73-0080)。