会場に展示した「クジラの尾びれ」と芝田知明さん=高松市の屋島山上交流拠点施設やしまーる
【宇佐】宇佐市安心院町の彫刻家、芝田知明さん(54)=ケイアイ設備サービス代表取締役=が、日本を代表する国際的な現代アートの祭典「瀬戸内国際芸術祭2025」に出品している。本職のステンレス加工の技術を生かし、独学で始めたアート活動。「夢みたい」と話す大きな舞台で、クジラをモチーフにした大作などを展示している。
芝田さんは父の機械設備・同社に就職し、ステンレス加工に従事。15年ほど前にオブジェ制作を思いつき、自社の作業場で作り始めた。トンボ、クジラ、花などを手がけ、毎年のように県美術展に出品。昨年の二紀展で準会員優賞を受賞するまで力を付けてきた。
同芸術祭への出品は1月初め、事務局から打診があった。「空と海―回遊する時空のはざま」と題し、「屋島アートどうぶつ園―海と森のむこうがわ」をテーマにした高松市の会場(屋島山上交流拠点施設やしまーる)にクジラの尾びれ(長さ2・2メートル)と胸びれ(高さ3メートル)の大作、カメの親子計3匹、子ガメ100匹が屋外展示されている。
芝田さんは4月に現地スタッフと設置作業をして、同18日の開幕を迎えた。会場は海の見える高台にあり、「海と空の間近で作品も喜んでいると思う。自分のやり方で地道に続けてきたことを世界から訪れた多くの人が見てくれる。もっと制作したくなった」と意欲を新たにしている。