相撲部の高校生を相手に稽古をするウクライナのジュニア代表選手(手前左)=宇佐市四日市の宇佐産業科学高
【宇佐】2月11日に東京・両国国技館で開かれる「第15回白鵬杯世界少年相撲大会」に出場するウクライナの相撲ジュニア代表が、宇佐市内で強化合宿をしている。同国相撲代表の宇佐合宿は2022年以来。地元高校生との合同稽古に臨んだほか、高校での平和学習でロシアの侵攻を受ける同国の現状を説明した。
22年は戦火で国際大会に向けた十分な練習ができなかった代表チームを受け入れ、その実績から今回の合宿が決まったという。ジュニア代表チームは小学4年~大学2年の男女8選手とトレーナーら計14人。小中高生の5人が白鵬杯に出場する予定。
27日に宇佐入りし、28日は宇佐産業科学高での合同練習に参加。同校、中津東高、東九州龍谷高、同市西部中の4校から相撲部員約20人が集まり、一緒に柔軟体操や四股、すり足をこなした後、部員らを相手にぶつかり稽古をして鍛えた。
同国東部ハルキウ州出身のエフゲン・グリツコオフさん(12)=小学6年=は「1日に3、4回、空爆警報が鳴ることも珍しくなく、常に不安。相撲を取ることで明るくなれる。合宿で相撲を楽しみ、大会で優勝したい」。
29日には柳ケ浦高を訪れ、生徒と交流した。平和学習ではトレーナーのオリガ・ミトニクさん(53)が、指導していた東部ドネツク州バフムトのスポーツ学校が破壊されて練習ができなくなったことや、教え子が兵士になったことなどを写真を交えて説明した。
看護学科2年の近藤瑚々那さん(17)は「今も戦争が続く状況を何か助けてあげられないのか、と考えさせられた」と話した。
その後、選手らは看護学科の生徒から包帯の巻き方を学んだり、つきたての餅を丸めてぜんざいにして食べたりして親交を深めた。
宇佐合宿は2月7日まで。期間中、地域住民との交流会なども企画されている。