INI(左から)尾崎匠海、藤牧京介(撮影:KOBA) (C)ORICON NewS inc.
11人組グローバルボーイズグループ・INIの尾崎匠海と藤牧京介が、オリジナル楽曲「Unrequited Love」「プロポーズ」を4日に配信リリースした。ORICON NEWSでは、単独インタビューを実施。前編では、楽曲の制作過程やお互いの歌声についての思いを届ける。
【ソロカット】対照的な美しさ…それぞれの魅力が光尾崎匠海&藤牧京介
尾崎と藤牧は、INI公式YouTube内の自ら企画・表現し、発信するクリエイティブコンテンツ「INI STUDIO」でもオリジナル楽曲やカバー楽曲を届けてきたボーカルメンバー。今回は新たな挑戦として、オリジナル楽曲を制作。コンセプトや楽曲イメージについても意見を出し合い、今回の制作に深く携わった。9月6日には、長崎スタジアムシティ HAPPINESS ARENAで行われる『HAPPINESS JAM 2025』、9月20日には滋賀・草津市烏丸半島芝生広場で行われる『イナズマロックフェス』に出演する。
■「Unrequited Love」はHY・仲宗根泉がツアー中に書き下ろし「感謝です」
「Unrequited Love」は、昨年藤牧が「366日 feat. 藤牧京介」をコラボして話題を呼んだHY・仲宗根泉の書き下ろしによる、かなわない恋をリアルに描いたバラード。数々の心に響くラブソングを生み出してきた仲宗根が作詞作曲を手掛け、尾崎と藤牧の歌声が織りなす切なくも美しいハーモニーが聴く人の心に静かな余韻を残している。
――「Unrequited Love」はHYの仲宗根泉さんの書き下ろしということで、制作が決まったときの気持ちや、実際に歌ってみての感想をお聞かせください。
藤牧:今回のテーマとして“切ない思い”“共感性”を挙げています。誰かに制作をお願いしたいという話になったとき、仲宗根さんのことがパッと浮かびました。仲宗根さんはツアー中だったのですが、引き受けてくださって、感謝です。
尾崎:バラードでスローテンポなのですが、難易度が高いです。INIのアップテンポの楽曲は、ラップやいろいろなことをする難しさもあるのですが、今回はよりストレートだからこそ歌唱力が際立つ楽曲だと思います。特にAメロやBメロは、ひとつのニュアンスで楽曲の雰囲気が変わると思うので、2人とも試行錯誤しながら歌いました。
――特に気に入っているフレーズはありますか。
藤牧:「そんな奴の事 もう忘れて 僕ならもっとさぁ 幸せにする 君の事 本当に思っている人が こんな側にいる」という歌詞は、切ないなと思います。どれだけ思っても、あなたは違うところを見ているという切なさと、あなたが自分のことを見ていなくてもこんなに思っているんだよというのがこのフレーズにこもっていて、切ないなと。
尾崎:僕は「こっち向いてよ もう苦しいよ 僕だって泣いてる日もある 君が笑うと胸が痛い 瞳の先には僕じゃない」というフレーズです。僕自身、自分の話をしたり、相談したりすることはあまりないのですが、歌なら伝えられるんです。僕的にも刺さりましたし、メロディ的にも気持ちが入りやすいです。
■「プロポーズ」作詞は飛行機で キュートでキャッチーな歌詞“ぎゅっと”誕生秘話
「プロポーズ」は多田慎也氏が作曲を手掛け、尾崎・藤牧が作詞を担当。愛する人と未来を重ねる強い想いを映した楽曲で、人生の特別なシーンに寄り添う、純粋で幸福に満ちた“約束のラブソング”となっている。
――「プロポーズ」は、どのように作詞作業を進めたのか、それぞれの役割分担はありましたか。
藤牧:最初にテーマを決めて、それぞれで一度歌詞を書いていたんです。途中経過の話をしたとき、匠海はサビまでができていて、僕はサビができていたので、ちょうどハマってうまく分担はできました。
尾崎:飛行機で考えました!たまたま横だったんですよ!
藤牧:たまたまじゃない(笑)。代わってもらいました。匠海の隣が(後藤)威尊だったのですが、「作詞やりたくて!」って。話をしながら隣でやっていました。
尾崎:そこから徐々に整えていって、僕はAメロとか全部変わりました(笑)。飛行機で考えた歌詞で残っているのは「音符が街を彩る」だけ。サビは京介が考えたのですが、2回同じフレーズを出していることで、ストレートな気持ちが伝わるという手法です。
藤牧:そんな策略的ではないです(笑)。わかりやすく耳に残るかなと思って。
――作詞の過程で印象に残っているやりとりはありましたか。
藤牧:多田さんが作曲してくださってから、それに対して作詞をしていったので、メロディーラインがあるんです。でも、匠海がすごい変える(笑)。悪いことじゃないけど、匠海の仮歌が届いたときに「大丈夫、これ?さすがに詰め込み過ぎなんじゃない?」って。
あと、(歌詞の)「ぎゅっと」は、ぎりぎりに決まりました。レコーディングの前日までにはFIXしているはずなのですが、当日、「まだ考えていないです」って(笑)。
尾崎:最後の最後に今まで出てきたことないフレーズが出てきました!
藤牧:「ぎゅっと」というフレーズが、すごいかわいらしくてキャッチーで完成したものはちょうど良いのですが、レコーディングの時はセリフみたいな感じで。聞いてほしいです(笑)。
尾崎:試してみたんです!いったんセリフっぽくアイドルチックにしたんです。やばかったです(笑)。
藤牧:鳥肌級でした(笑)。あのバージョン、録っておけばよかったな~。
■“次郎系ラーメン”と“カルボナーラ”? お互いの歌声を“褒め合い合戦”
――お互いのボーカルスタイルをどう捉えていますか。たとえば「こういうところが自分と違ってすごい」と感じる部分や「一緒に歌う中で刺激を受けたこと」があれば教えてください。
藤牧:匠海は本当に声が太いです。声量もあり、前に出ています。自分ではマイク乗りが悪いと言っていますが、結構入っているんです。あと、(メンバーの中で)一番高い声が出る。
尾崎:(挙手して)はい!これ、嘘ついていますね。京介は、後ろで響かせながら歌うんです。何と言っても倍音(※基本となる音と同時に発生する、整数倍の周波数を持つ音のこと。音に深みや豊かな響きが加わる。)!(藤牧を見つめて)それはなんで?めっちゃいい声です。好きな声なんです!京介のまねをしても良くないので、自分のスタイルを貫いているのですが、ミックスへのつなぎ方とか、バラードの歌い方も学びになりますね。今回もいろいろなものを吸収してパワーアップしました。(藤牧に)ありがとうございます!
藤牧:(照れ笑い)。ユニゾンで歌っていても気持ちが良いです。今まで聞いてきた楽曲が近いので、小さいクセがどこかで一緒なのかもしれない。お互いの歌声をよく聞いていたりもするし、そういう部分でユニゾンになったときに良い相性なのかな。
――お互いの歌声を料理にたとえるなら何系だと思いますか。
藤牧:(即答で)次郎系ラーメンボイス!
尾崎:あっつい声やな(笑)。
藤牧:太くてコシがある声なんですよね。でも、スープはまろやかで。野菜のさわやかさもあります。さわやかな見た目なんだけど、中身は濃い。急いで食べなきゃいけない、せっかちな部分も(笑)。
(尾崎に自信に満ちた笑顔を向けて)俺、完璧だよ?この速さで答えたけど、いける?
尾崎:うるさいわ!苦手なんですよね、こういうの…。トマトで!
藤牧:料理じゃないし!
尾崎:すみません、最後にさせてください!
(インタビューの最後に再度質問)
尾崎:カルボナーラ!なんといっても歌声がクリーミーで柔らかい。クリーミーの中にもコシがあって…。
藤牧:(自分と)同じこと、言っているよ?
尾崎:あと、パスタってちょっとおしゃれじゃないですか…?
藤牧:失格!
尾崎:(苦笑い)。食べ物じゃないとしたら、お水だと思います。透き通るような声だし、すっと入ってくる。なじみやすいですし。すみません!またどこかでリベンジさせてください!
【プロフィール】
■尾崎匠海
1999年6月14日生まれ。大阪出身。ハスキーな歌声が特徴のオールラウンダー。『アンメット ある脳外科医の日記』や『ライオンの隠れ家』などに出演し、俳優業でも活躍中。
■藤牧京介
1999年8月10日生まれ。長野県出身。透明感ある歌声が魅力。グループ内では、切れ味の鋭いツッコミ担当。HY・仲宗根泉とのデュエット「366日 feat.藤牧京介(INI)」の楽曲配信などでも話題を呼んだ。