ロシアがウクライナ首都キーウ攻撃で使った無人機「シャヘド」の残骸=2023年5月(ゲッティ=共同)
ウクライナ侵攻を続けるロシアが、中国や北朝鮮、イランとの間で構築した軍需物資の調達網の全容が10日、共同通信が入手したウクライナ国防当局の機密文書で分かった。ロシアが軍事技術供与の見返りに戦争継続に必要な北朝鮮製砲弾や、兵器製造に使う日米欧製電子部品を中国経由で獲得する「闇のネットワーク」をつくり、経済制裁で物流遮断を狙う欧米に対抗。文書作成に携わった国防省当局者は「ロシアが現在使用する砲弾の約7割は北朝鮮製」と分析した。
ロシアと中朝の軍事連携が具体的に裏付けられ、日本を含む東アジアの安全保障環境の悪化に直結する恐れがある。国防当局者は取材に「ロシアを中心とする4カ国にまたがる兵たん網が侵攻を下支えし、長期化させている」と指摘、制裁でロシアを孤立化させることが戦局転換の鍵になると強調した。
9月ごろ作成された機密文書や当局者の説明によると、北朝鮮は2022年2月の侵攻開始以降、ロシアに計約650万発の砲弾を供与した。ロシアが北朝鮮に兵器製造に必要な技術を伝達し、増産体制が構築された。北朝鮮は見返りとして、防空システムや宇宙関連技術、200億ドル(約3兆円)規模の経済支援を受けたとされる。
機密文書は、ロシアの核関連技術が北朝鮮に移転されたとの見方も示している。
イランは無人機シャヘド約2200機を提供した。イランの技術支援を受けたロシアは現在、中部タタルスタン共和国などでのシャヘドの量産体制に移行した。イランはさらに爆薬製造の技術を提供し、見返りとしてロシアから防空システムやレーダーが移送された。
ロシアは、戦車やミサイルなどの兵器製造に欠かせない日米欧の電子部品などを中国経由で入手していると指摘。ロシアの防衛産業向けに流通する半導体などの電子部品の9割が中国から入っていると推計した。
ロシアから中国には石油などのエネルギーと、航空機や潜水艦の製造に必要なレアメタル(希少金属)、軍民両用品などが提供された。(キーウ共同=飯沼賢一)
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