情報発信セミナーの講師を務める河野忍さん(奥)=9月11日、大分市東大道の大分銀行宗麟館
ペット関連の情報を扱う「ペットリボン」代表取締役社長の河野忍さん(33)は9月中旬、インターネット情報発信セミナーの講師として登壇した。飲食店経営者らの関心は高く、用意した80席は募集から数日で埋まった。
IT活用アドバイザーとして、これまで大分、別府、由布の各市で380店舗の情報発信や広報をサポートしてきた。「『地方には何もない』と言う人がいるが、知られていないから。まずは知ってもらう必要がある」
広報の手段は多様化しているとして、別府市のラーメン店や大分市の体験工房の実例を挙げながら、ウェブサービスやメディアの活用法を解説した。
ネットはあくまでもツール。「相手が目の前にいるつもりで接して」。クレーム対応などでは「リアル(現実)と同じことがネット上でも起きる。別物と思わない方がいい」とアドバイスした。
セミナーを主催した「ウェブマーケティングワークショップ九州」の板井悟史会長(40)は「情報発信は地方創生に不可欠。事業者のリテラシーを高めて、大分を元気にしたい」と意気込む。
ICT(情報通信技術)の進化で、誰もが発信できるようになった。8月25日のハピカムで、丸田晋也さん(30)は「思ったことを口に出すことが大切。言って回ると、協力してくれる人が現れる」と強調した。アドバイザーの小野裕史さん(45)が提唱する「ノータイムポチリ」に通じる。興味を持ったら即座に目標を設定。それを発信することでスタートラインに立つ。SNS(会員制交流サイト)に投稿すれば大きな広がりを生むことも可能だ。
発信することで共感が生まれる。小野さんは「周囲を巻き込むにはパトス(情熱)が重要」と指摘した。
河野さんは、こう話した。「せっかく新たな魅力をつくっても、伝わらなければ存在していないことと同じ。提供する人と求めている人と出会えなければ互いの不幸。出会えれば、幸せと幸せの化学反応が起こる」
挑む心が芽生えたら、大声で宣言しよう。仲間が現れ、共感の輪が広がっていく。心と心がつながれば、ハッピーがやって来る。
【宣言】挑戦は心のおもむくままに。できない理由ではなく、できる方法を考えよう。