日田市のNPO法人リエラは、能登半島地震の発生直後から現地でボランティア活動を続けている。能登町小浦に借りた古民家を活動拠点とし、町内や輪島市で被災者に寄り添いながら支援する。 リエラ代表の松永鎌矢(けんや)さん(35)は地元の子ども...
「地震で風景が壊れてしまった」。6月に石川県輪島市を訪れると、輪島塗の塗師(ぬし)、赤木明登(あきと)さん(62)はこう話した。9月に起きた能登半島豪雨が被災者たちに追い打ちをかけた。 11月、福岡市のギャラリーが赤木さんを招き、個展...
「広瀬旭荘(きょくそう)の書を町の美術館に展示しています」。7月、石川県能登町教育委員会から、展示会の案内が大分合同新聞社に届いた。東日本大震災を契機に始まった「文化財レスキュー」の活動が能登半島地震でも展開されている。 旭荘は日田出...
姫島でマーキングされたアサギマダラを能登半島で再捕獲した砂山美里子さん(66)=石川県珠洲市=にとって、姫島は憧れの場所になった。羽に「ヒメ」と記されたチョウとの出合いから9年後、念願かなって訪れた。「珠洲も遠い所ですが、姫島も遠かったで...
アサギマダラは沖縄県の西表島など先島諸島から北陸・東北まで約2千キロを飛ぶ。海や山を越え、「旅するチョウ」と呼ばれるゆえんだ。姫島村でマーキングされた個体が、能登半島で捕獲されたこともある。 能登半島の先端、石川県珠洲市三崎町にNPO...
石川県七尾市は5月の「でか山」から一年が始まる。青柏祭(せいはくさい)の曳山(ひきやま)行事、通称でか山はとにかく大きい。高さ12メートル重さ20トンと巨大で、車輪の直径は2メートルもある。数キロ離れた隣町の中能登町から見えた、という話が...
全国どこでも、お祭り男たちの絆は強い。 元日に能登半島地震が発生した後、大分市舞鶴町の公務員、古田裕樹さん(43)は福井県小浜市の会社員、木村真一さん(51)に「能登半島の支援はどこにすればいいでしょう」と相談した。古田さんは1月3日...
能登半島の付け根、石川県中能登町はのどかな田園風景が広がる。隣りの羽咋市を含め、各地区に獅子舞がある。それぞれ能登、越中、加賀の各獅子の流れをくみ、交差する。独自の獅子舞文化が花開いている。 元日の能登半島地震で、中能登町は震度6弱を...
元日の能登半島地震をニュースで知った時、大分市出身の和泉流狂言師、深田博治さん(57)=埼玉県新座市=は、石川県中能登町の獅子舞の人たちのことを思った。 「とてつもない地震だ。武部獅子舞保存会の皆さんは大丈夫か」。心配になり連絡を入れ...
「大分の皆さん、天然の砂浜を車で走行できるのは全国でも千里浜なぎさドライブウェイだけ。ぜひ訪れてください」。石川県連合青年団OB会の土田一さん(64)=羽咋市=は地元で売り出し中の名所をPRした。2022年1月、同OB会のメンバーは日出町...
「自分が守られて、誰かを守っている感覚。そのバランスがとても良かった」 全国紙1面の人気コーナーで哲学者の鷲田清一さんがこの一文を取り上げた。 元日の能登半島地震で被災した石川県珠洲市の鹿野桃香さん(30)は「地震日記 能登半島地...
能登豪雨に襲われた石川県輪島市町野町だが、大量の土砂やごみに覆われた東陽中の清掃活動に、石川県青年団OB会の土田一さん(64)が駆け付けた。「“後輩”が困っていれば手助けするのは当然のこと」と心強い。 土田さんは同県羽咋市の在住。...
「残っていた仕事を片付けようと土曜出勤をしました。朝方は晴れていたが、学校に到着すると急に真っ暗になり、経験したことのない土砂降りになりました。校内に大水が入ってきてそれは大変でした」 石川県輪島市町野町にある東陽中教諭、時兼秀充さん...
国内の和太鼓の9割が石川県白山市で製造され、「日本の和太鼓の中心は石川」と言われている。和太鼓の最高峰「日本太鼓フェスティバル」の前身となる大会が1990年ごろ、輪島市で開かれていた。 輪島朝市の近くに特設会場を設け、全国から太鼓チー...
夜叉(やしゃ)や亡霊の面を着け、海藻をかぶった異様ないでたち。奇声を発し、怒りをあらわにして大きくばちでたたく。太鼓のリズムが力強い。 名舟(なふね)大祭が8月1日、石川県輪島市名舟町の奥津姫(おきつひめ)神社で開かれた。今年は御陣乗...
6月下旬の能登は暑かった。世界農業遺産「能登の里山里海」を代表する風景「白米(しらよね)千枚田」(石川県輪島市白米町)を訪ねた時、農家の男性が「千枚田を守っているのは隣の名舟(なふね)町の人たち。太鼓もたたいて元気だったんだけど…」と話し...
「裏山が抜けるかもしれない。家の中も外もプールになってしまった。とにかく大変な状況なので電話はまた後にして」 9月21日午前9時。...
石川県輪島市の中心にある重蔵(じゅうぞう)神社は、輪島塗の職人町のシンボルだ。鎌倉時代の1296年に本殿が建造され、室町時代の1397年には本殿内陣の扉に朱塗りが施された。周辺には大小さまざまな工房が集まり、職人たちが日々仕事をしてきた。...
石川県・能登半島の家は黒くて大きい。黒々とした能登瓦に、外壁はアテと呼ばれるヒノキアスナロの板張り。地元の大工による在来工法で建てられてきた。里山と田畑の接する境に家々が一列に並び、集落には統一感がある。 能登の風景が一瞬にして壊れた...
「奥能登国際芸術祭」は、能登半島の先端にある石川県珠洲市が丸ごと舞台になる。3回目の昨年秋は「さいはての芸術祭」と銘打ち、14の国・地域から参加した59組のアーティストが計61作品を展示した。...
日本航空高石川(石川県輪島市)のラグビー部には、1月1日の地震発生直後から心強いメッセージや多くの支援が届いた。 大分県での夏合宿参加もその一つだった。...
久住スポーツ研修センター(竹田市久住町栢木)の後藤慶多さん(40)は、センター運営会社の代表取締役を務める。大分雄城台高と明治大のラグビー部でプレーした経験があり、2019年ラグビーワールドカップ日本大会の試合を県内に誘致する活動にも携わ...
くじゅう連山を望む竹田市久住町栢木の「久住スポーツ研修センター」は、天然芝のグラウンド2面と約300人が泊まれる施設がある。青い空と高原の緑が広がる雄大な景色に囲まれ、夏休みになると全国各地から高校のラグビー部が集まって合同合宿をしている...
国東半島宇佐地域が世界農業遺産に認定されたのは2013年5月、石川県七尾市の和倉温泉で開かれた国連食糧農業機関の国際会議の場だった。 同地域世界農業遺産推進協議会の会長、林浩昭さん(64)=国東市安岐町=は壇上に立った。...
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