中津城下の上水道「御水道」で使われた江戸後期の水道管などを見学する小学生=中津市三ノ丁の市歴史博物館
【中津】江戸時代に中津城下で整備された上水道「御水道」の歴史を紹介する企画展が、中津市三ノ丁の市歴史博物館で開かれている。御水道の一部「石樋(せきひ)」(石製の水道管)の市文化財指定40周年を記念した取り組み。11月3日まで。
御水道は九州で最も早い「近世水道」。1620年、中津藩主の細川忠興公が山国川河口から上流約5キロ地点の大井手堰(せき)から取水した水を石樋などで城内まで引いたのが始まりで、その後、藩主小笠原長次公が城下町じゅうに石や竹製のといなどを敷設して配水した。次の奥平時代にも藩主導で維持管理され、昭和初期まで300年以上利用されたという。
同展は▽水と人のかかわり▽近世水道「御水道」の整備▽水道と城下町の形成―など5章で構成。竹筒や木製の溜枡(ためます)(土砂や固形物を除くための装置)などを使って復元した配水施設、御水道の扱い方を書いた文章、発掘された遺構の写真パネルなどさまざまな資料・文献を展示している。
花崎徹副館長は「海近くの土地に開かれた中津城下町は真水の確保が必要で、いち早く上水道の事業化を進めた。長年、大事にされた御水道のことを知ってほしい」と話している。
月曜休館。観覧料は一般300円、中学生以下無料。25日午前11時から学芸員によるギャラリートークがある。問い合わせは同館(0979-23-8615)。