東日本大震災後、宮城県で認定された７５５人の災害関連死の申請書類について、災害との関連性を医師が死亡診断書などに記していたのは２９％にとどまり、７１％は遺族が死亡経緯をまとめていたとする調査結果を、東北大のチームが英科学誌に発表した。
チームは「被災後の混乱の中で死亡経緯をまとめることは遺族に負担が大きく、関連死と認定されていない死亡が埋もれている可能性がある」とし、診断書に記載を促す項目を加えることや、申請の簡略化を提言した。
災害による死亡には溺死や圧死などの直接死とは別に、避難生活の疲労や環境悪化などの間接的原因による死亡がある。遺族が自治体に申請、災害関連死と認定されると災害弔慰金が支給される。宮城県の東日本大震災の関連死は９３２人（２４年１２月末時点）。
チームはこのうち７５５人分について調査。医師が記載したのは２１９人で、死亡診断書が７４人（１０％）、生命保険用書類などが１４５人（１９％）だった。５３６人（７１％）は、遺族が死亡までの経緯や根拠となる書類をまとめ提出していた。
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