高校で目覚め、英語漬けの道へ

大分合同新聞
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高校で目覚め、英語漬けの道へ

ＧＸエデュケーション: 高校で目覚め、英語漬けの道へ
ＡＰＵアジア太平洋学部に総合型選抜で合格した染矢麗斗さん; 2025/02/20(木) 03:00大学受験

受験体験談　佐伯豊南高総合学科３年染矢麗斗さん

　佐伯豊南高校総合学科３年の染矢麗斗（れいと）さん（１８）は、立命館アジア太平洋大学（ＡＰＵ）アジア太平洋学部（別府市）に総合型選抜で合格した。総合学科では２年から、それぞれの進路希望に合わせて履修する授業を選択できる。染矢さんは英語を軸に履修科目を組み立て、大学進学の扉を開いた。

■「苦手だった」が、弁論大会に出場

　佐伯城南中を卒業する段階では自分の将来像がまだ見えていなかった。高校は、進学と就職のどちらにも対応できる佐伯豊南高総合学科を選択。そこで英語学習の面白さを知った。

　「中学までは勉強も熱心ではなく、特に英語は苦手だった」。そう思い出す染矢さんに英語の楽しさを教えたのが英語科の担当教諭だ。高校に入学して最初にあった授業で、この教諭は英語で自己紹介をするよう生徒に求めた。この時、現在完了形を使った染矢さんに目を付け、英語のスピーチコンテスト出場を持ちかけた。

　熱心に声をかけられるうちに「挑戦してみよう」と前向きになった染矢さん。ライオンズクラブ英語弁論大会佐伯・津久見大会への出場を決めた。本番までの準備期間は２カ月。英語科の担当教諭に原稿や発音をチェックしてもらいながら練習を重ね、最優秀賞に輝いた。

　副賞は海外ホームステイ。２年の１２月に３週間、シンガポールで過ごした。そこはさまざまな人種や文化が混在する環境。実際に生活することで、共通言語としての英語の重要性と、社会に広い視野を向けることの必要性を感じた。

　２年生になる頃には大学進学を目指すことを決意していた。授業は英語を中心に履修。放課後は佐伯市内の複合交流施設「さいき城山桜ホール」で、閉館する午後１０時半まで勉強した。長期休暇中も登校して英語学習。他のスピーチコンテストや英検にも挑戦し、英語漬けの日々を過ごした。「努力が結果となって返ってくる喜びを知ったから、英語の勉強はつらくなかった」と振り返る。

　いくつかオープンキャンパスに参加した大学の中で、学生たちが一番楽しそうにしていたＡＰＵを受験校に決めた。受験方式は総合型選抜のひとつ「活動アピール方式」を選択。さまざまな分野での活動実績と入学後の活動意欲などで評価される方式だ。

■自主性尊重と先生の全力サポート

　９月の書類選考をパスすると、１０月に面接があり合否が決まる。書類にはエッセーと志望理由を書かねばならない。スピーチコンテストへの出場などで英語学習に情熱を注いだことや、ホームステイで自分が成長したことをそれぞれ１０００字程度で記し、自分の個性が伝わるようにした。

　面接試験は高校の教室からオンラインで受けた。時間は約２０分。中には「国際生（留学生）とトラブルになったらどうしますか？」などと想定よりも深く突っ込まれる質問もあった。だが、過去の試験の質問例を参考にＡＰＵのことをかなり調べていた染矢さん。頭に入っている情報を総動員しながら質問に食らいつき、試験が終わった時には良い手応えを感じたという。

　１１月の合格発表は、高校の教室で友達や教師と確認。合格したと分かると、友達が胴上げして喜んでくれた。合格をつかめたのは、自分のペースで英語学習に取り組むことができ、周りの人の協力があったから。「佐伯豊南は生徒の自主性を尊重してくれる高校。自由でも放任するのではなく、打ち込めるものを見つけた生徒を先生が全員で応援してくれた」と感謝している。

　大学での目標は、国際的な視野を広げ、英語力をさらに磨くこと。「ＡＰＵでは多くの留学生と友達になりたい」と意気込む。卒業後は英語を生かした仕事で社会に貢献したいと考えている。

　後輩には「どんな活動でもいいから積極的に参加してほしい。人との出会いや新しい出来事と向き合う中で、人は大きく変わる」とエール。自分の経験を踏まえ、力強く語った。