2024年二紀展で準会員優賞、2023年県美展で県美術協会賞を受賞した県美術協会会員の芝田知明さんの作品が、大分市府内町の大分合同新聞本社常設コーナーのハニカムアートギャラリーに展示されている。11月25日から12月6日まで。ステンレスでつくったトンボやクジラ、樹木などのオブジェ計35点を展示、販売している。
▽作品の紹介
虫や花など見て分かりやすいものから、涙といった内面を表すオブジェを展示。最近取り組んでいる「樹」シリーズは、ステンレスで木の幹を表現。溶接する際の温度でステンレスの表面の色が変わる性質を利用。温度が下がる際にも、周囲の気温で色合いが変わる。その微妙な色合いを作品に生かし、冷たく無機質なイメージのステンレスに命を吹き込んでいる。
▽作品を作る楽しみ、見る楽しみ
父がプラント配管などの設備会社で職人をしていた。小学校低学年の頃から父と現場に一緒に行くことがあり、高学年になると簡単な仕事を手伝うようになった。その頃から木の端材を使って船を作るなど自分の想像したものを作ることが好きになっていた。そのため市販のプラモデルは、設計図通りに作らなければならないので苦手だったという。
高校時代は、父の仕事を手伝い、卒業後は、県外で機械設備業の仕事に就職した。そこでステンレス加工に出合い溶接などの技術を身に付ける。21歳で地元に戻り父の会社に就職。ステンレス加工の仕事も引き受けるようになった。
15年ほど前のこと。工場に舞い込んできたトンボを見て、ステンレスを使ったオブジェにしたいとひらめき、制作が始まった。2012年には、大分空港の手荷物引き渡し所に「大分海の幸」と題してクルマエビやウミガメなどのオブジェを展示することに。中学校の恩師のすすめで、2017年に県美展に出品。県芸術文化振興会議理事長賞を受賞した。
作品に注目が集まったこともあり、仕事をしながらも、アート制作に力が入った。制作していて自分自身が楽しいこと、出来上がった作品を喜んでもらえることが創作の大きな動機という。
▽これからの制作について
二紀展を中心に制作を続けている。現在はケイアイ設備サービス(宇佐市安心院町)代表取締役で職人。ステンレスを使った業務商品を作りながら、創作(アート)もしている。「仕事で作るものも、創作も相手の思いを形にするところで似ている。これからは自分の内面的な作品にも力を入れたい」。
開場時間は午前9時から午後5時(土日祝日は休み)。最終日は午後3時まで。入場無料。
Profile
しばた・ともあき 1971年別府市生まれ。柳ケ浦高卒。TOMOステンレスアート工房主宰。宇佐市在住。
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