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<大分県立芸術文化短期大から大分大経済学部に編入へ> 三原海人(かいと)さん(20)=情報コミュニケーション学科・地域ビジネスコース2年、佐伯鶴城高卒 経済や経営に関心があり、大学受験では前期、後期に四年制公立大の経済学部を受験した。合格できなかったときのため、四年制大学への編入を視野に短大も併願して受験することに決めていた。四年制大学には合格できなかったが、共通テストを利用して編入の実績がある芸文短大を受験し合格した。入学以降は、編入という目標があったことで、後悔よりも「次こそは」という気持ちの方が大きく、前向きな短大生活を送ってきた。■学校で学んだことを地域活動に 情報コミュニケーション学科では地域課題や地域経済について学んでいる。2年になるとコース選択があり、地域ビジネスコースを選んだ。社会学や心理学など幅広い分野の知識が得られることに魅力を感じている。エクセルやワードといった、基本的な情報処理技術を身に付けることもできた。 必修科目である「サービスラーニング」は学校で学んだことを地域活動に生かすことを目的とした、芸文短大ならではのカリキュラム。課外活動やボランティアといったフィールドワークは、普段の座学では味わえない新鮮さがある。他学科の学生も履修でき、多くのが学生が参加している。 今年3月にはサービスラーニングの一環で、大分市野津原で開催されたトレイルランニング大会の支援活動に参加した。受け付け補助やコースの整備、集客のためのSNS発信に取り組んだ。地域住民と関わる中で過疎など地域が抱える課題について直接話を聞く機会があり、身近な問題として捉えるようになった。地域の人に自分の意見を伝え、理解してもらうことの難しさを感じる場面もあったが、与えられた役割を全うすることで達成感が得られた。■苦手科目克服へ早めに準備 短大生活は2年間しかないため、入学後すぐに進路について考える必要がある。入学前から大分大経済学部への編入を希望していたので、早めに準備できた。苦手だった英語が受験科目にあったため、1年のときからTOEICを受けたり、問題集を解いたりした。2年の春からは、論文や志望理由書作成など編入に向けて大学主催の対策講座に参加した。9月に英語、小論文の試験があり、調査などの書類を提出。合格することができた。 講義が多い日は朝から夕方まで詰まっていることもあるが、学校が早く終わる日にはアルバイトをしたり、帰宅して勉強したりして過ごしている。「短大生は忙しい」と聞いていたが、思ったよりもこなせている。 編入までは主に卒論に取り組む。資格を増やすことも目標の一つ。これまでマナー・プロトコール検定3級、ビジネス著作権検定初級、カウンセリングの基礎知識と技術を習得する「ピアヘルパー」の資格を取得した。日商PC検定や秘書検定など、より高度な資格にチャレンジしたい。 短大生活を送るうち、地域貢献への思いが一層強くなった。将来は経営コンサルタントとして、地域の企業を助ける仕事がしたい。編入後は経営に関する知識を深め、いずれは中小企業診断士の資格を取りたいと考えている。 (年齢は記事公開時)