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202049日()

東西南北

2020.1.24



 「華麗なる一族」など重厚な社会派小説で知られる作家山崎豊子に、医療現場を舞台にした「白い巨塔」がある。映画やテレビドラマで見たことがある人も多いのではないか▼医学部の教授選をめぐる権力闘争を背景に人間ドラマを描く。教授になることの意味とは何か。映像では教授を先頭にした医師の集団が、病院内で入院患者の回診をしているシーンが象徴的である▼その「白い巨塔」を地で行くような展開である。大分大学医学部のことだ。さて、何が起きているのだろう。医学部教授選をめぐり学部が選んだ内部の准教授ではなく、「学長が介入」して、他大学の教授を選んだというのである▼准教授が県弁護士会に人権救済を申し出たことで分かった。准教授は学部の公募で、審査会による投票と人事会議を経て正式候補に決まった。ところが学長が学部の選考を覆した。准教授は退職の意向で、他の医師も追随する動きを見せている▼大学では経済学部長の選出をめぐってももめていた。学部選挙で選んだ候補者ではなく、学長が選んだ候補者を学部長にした。大学が第三者委員会を設置する事態に発展し、結果は学長任命を認めている▼少子化と競争激化で大学は近年、生き残りを懸けた改革が続く。人事権も含めた学長の権限強化はその一環である。だが、その権力行使は妥当なのか。2期8年を務めた現学長は昨年、3期目に選任されている。
2020年1月24日

東西南北

 

 大分合同新聞の顔とも言えるコラムです。朝刊1面に掲載。短い文章ですが、政治や世の中の動き、いま話題の事柄を鋭く、時に風刺の効いた、心温まる筆致で描きます。故事来歴などのうんちくも豊富。文章に親しみ、物事を考えるヒントにもなる。それが「東西南北」です。

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