3回目の特典会。あの日のことは今でも鮮明に覚えている。2回目までは名前を覚えてもらえていなかった。ループしても「ごめん、もう一回名前を教えてくれる?」。似ている人がいたのか、呼び間違えられたことだってある。
それが3回目。自分の番になった瞬間、推しから名前を呼ばれた。前回会ってから1カ月ほど空いており、覚えられているとは思っていなかった。「また間違えられるかも」とさえ感じていた。それだけに超絶うれしかった。
推しは純嶺(すみれ)みきさん。昨年5月、オーディションを経て加入した。メンカラ(メンバーカラー)は紫で、ファンからは「みきちゃん」と呼ばれている。
見た目はしっかり者のお姉さんだが、抜けた一面もある。「1000―486」を「9514」と答えたり、「各々」を「かくかく」と読んだり…。でも、気遣い屋で周囲をよく見ている。自分が前に出るより、周りに合わせる場面が多い印象だ。
友達に「みきちゃん推し」と伝えると、意外そうな反応をされる。「ビジュ(ビジュアル)で言ったら、まむちー(小熊まむさんの愛称)じゃない?」と言われることが多い。
確かに最初はまむちーが気になっていた。そんな気持ちを変えたのが、SNSで何げなく見たみきちゃんのレス(レスポンス)だった。「前世でどんな徳を積んだの」と思うほど。どんどん惹かれていった。
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iLiFE!のライブは昨年、2回ほど見たことがあった。みきちゃんを推すようになり、今年に入って特典会にも行くようになった。
iLiFE!の特典会で話せる時間はほんのわずか。短すぎて、マジで「秒」です。列も途切れないため、1日に3ループできれば良い。地方在住で現場に行けるのは月に1、2回。毎回「忘れられていたら…」と心配になる。
そんな不安をよそに「この前のチェキツイさぁ~」「手紙とプレゼントありがとう」と、覚えている前提で話してくれる。日々たくさんのオタクと接しているのに、特別取り柄もない自分を認知してくれた。これはもう、天才ですね。
プレゼントは何を渡すか悩んだ末に、美容ブランドの新作シルクシュシュを渡した。荷物にならず、無難なブランドだと思って選んだが、いまだにこれで良かったのか分からない。
最初は当たり障りのない会話だけだった。今ではみきちゃんのボケに「えぐおもんない!」と笑って突っ込めるくらいになった。ただ、終わってから「こう言っておけば良かった」と後悔することもある。
Kアリ(Kアリーナ)後日特典会で、初めて鍵閉めができた。鍵閉めができることに浮かれすぎて、何を話すか考えていなかった。せっかくの機会なのに、まともに話せなかった。推しを目の前にすると、悲しいことに、びっくりするくらい陰キャ(陰キャラ)を発動してしまう。
みきちゃんは同じことを2回言う。メイクをして現場に行くことが多いが「メイク上手だよね。みきにも教えて」とか、「かわいいね」とか。日が空いても同じことを言ってくれる。
アイドルとしてのファンサなのは百も承知だが、2回言われるとテンションが上がる。男の自分が「かわいい」と言われることに抵抗はない。むしろ、「かっこいい」より「かわいい」の方がうれしい。
これまで撮ったチェキは27枚。まだまだ新規。今年中に50枚撮るのが目標だ。
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ある日のライブ。「#ラブコード」の終盤のソロパートで、みきちゃんが指さしでレスをくれた。その先に自分がいた―と思う(勘違いなら恥ずかしい…)。
たった2~3秒だったが、なぜか長く感じた。みきちゃんだけがくっきり見えて、周りの景色がぼやけるような、不思議な感覚だった。
別の日にかなり前方で見たときは、直後の特典会で「今日めっちゃ前だったね。見つけたよ」と言われた。紫色のペンラを持った人がたくさんいたのに、気付いてもらえてうれしい。
5年以上お笑いが好きで、関東や関西の現場に通ってきた。最近ちょっとした変化がある。以前は何かにお金を使うとき、「お笑いライブ何回分かな」と換算していた。今では「チェキ何枚積めるかな」「グッズどのくらい買えるだろう」に変わった。
3千円のチェキは迷わず買うのに、ランチの千円は躊躇(ちゅうちょ)してしまう。オタクは共感してくれると信じたい。
地方在住だと、遠征はなかなか大変だ。飛行機代や宿泊費の負担は決して小さくない。ライブが直前に決まることもあり、大分から日帰りは難しい。職場の協力も得ながら、休みをやりくりして通っている。
来年の全国ツアーも発表された。9会場で11公演ある。通えるだけ通いたい。3月15、16日には福岡で、4月6日には3万7千人キャパのGMOアリーナさいたまである。最低でもこの3日間は行きたい。
平日だから有休をもらわなくては。会社にはお願いしよう。…いや、まずはチケットだ。当てないことには始まらない。今から徳を積んでおこう。
(Mi)