年末の風物詩といえば、何を思い浮かべるだろうか。お笑いが好きな私は漫才日本一を決める「M―1グランプリ」と即答する。プロ・アマチュア問わず、結成15年以内なら出場できる。審査基準は「とにかくおもしろい漫才」。優勝者には賞金1千万円が贈られる。
今年は過去最多の1万1521組がエントリーした。地上波で漫才を披露できるのは、決勝に進んだ10組(敗者復活の1組を含む)だけ。大学生や若手のレベルが年々高まっていることもあり、5回の予選を勝ち抜くのは至難の業だ。
12月4日、準決勝を見てきた。とは言っても、全国約100カ所の映画館で行われたライブビューイングの福岡会場。近年のM―1人気は非常に高く、本会場(東京)のチケットは外れた。スマートフォンで生配信を見ることもできるが、少しでもライブ感を味わいたい。そんな思いで隣県まで足を運んだ。
トップバッターは「滝音(たきおん)」。さすけさん(大分市出身)が、ボケの秋定遼太郎さんに向けて繰り出すオリジナルの造語によるツッコミが特徴だ。
私は5年ほど前から彼らを「推し」ている。東京や大阪に行き、吉本の劇場で2人のネタを見ることも多い。「決勝に進んでほしい」と祈るような思いで4分間の漫才を見ていた。
この日も独特のワードセンスで爆笑を誘った。決勝進出はならなかったが、一般的に不利といわれる1番手で会場を大いに温めた。
その後は芸歴数年の若手からメディアで活躍している売れっ子まで全31組が出場。笑いが絶えない3時間だった。決勝戦は12月21日。個人的には、敗者復活戦に回ることになった「カナメストーン」と「ネコニスズ」に注目している。
大分県関係の芸人では、昨年のM―1ファイナリスト「ジョックロック」もお気に入り。ツッコミの福本ユウショウさんと、ボケのゆうじろーさん(宇佐市出身)のコンビ。今年は惜しくも準々決勝で敗退したが、素人目にみても明らかに昨年よりネタが洗練されており、とても面白いと感じた。
今年6月にサッカーJ2・大分トリニータのイベントで来県した彼らを取材。飾らない人柄に引かれた。取材の受け答えで見せる掛け合いも面白く、まるで漫才を見ているようだった。今年は冠番組を持ち「人生が180度変わった」と声をそろえていた。改めてM―1の影響力を感じた。
公式ユーチューブでは「滝音」と「ジョックロック」の準々決勝の漫才が視聴できる。2組ともトップクラスの再生回数を誇っており、実力は折り紙付き。「パンクブーブー」(佐藤哲夫さん=大分市出身&黒瀬純さん)以来となる大分ゆかりのチャンピオンが誕生する日もそう遠くないはずだ。(中丸遼)