家屋など約170棟が燃えた大分市佐賀関の大規模火災を受けて、東京大大学院の渡邉英徳教授(佐伯市出身)は20日、被災地の高精細な3D(立体)映像を公開した。大分合同新聞社との共同プロジェクトとして取り組んだ。
ドローン映像は、火の勢いが落ち着いた19日午前7時40分ごろ、大分合同新聞社が立ち入り可能な区域から撮影。動画を3D化する技術を使って渡邉教授が立体映像を作成した。
思い通りに回転・静止させながら拡大や縮小ができるため、地域の被災状況や建物の細かな被害まで確認できる。
映像では、海と山に囲まれて家屋が密集している様子が分かる。画像を拡大すると、屋根が崩れ落ちて外壁だけになった建物や、真っ黒になった電柱、散乱したがれきが映り込んでいる。
渡邉教授の研究室は、国内外の災害などを記録した画像・映像を3D化して世界に発信している。ウクライナ侵攻やガザ地区の紛争、能登半島地震などで実施した。
火災被害の映像を公開するのは今回が初めて。渡邉教授は「これほど高精細な3D映像になるとは思わなかった。改めて被害の甚大さ、深刻さが伝わる。復旧に役立ててもらいたい」と話した。
リンクをクリックすると3D映像のページに移動する。