県内三大祇園の一つ「臼杵祇園まつり」(県指定無形民俗文化財)の「曳(ひ)き出し」が11日、臼杵市中心部の辻ロータリーなどであった。今年の当番町の掛町と畳屋町が山車(やま)を披露。優美な山車に乗る若衆らが力強いかねと太鼓の祇園ばやしを城下町に響かせた。
夕方から中心部を巡行した2台の山車は、見せ場の「辻出合い」でロータリーを交互に駆け抜けた。山車に乗る両町の若衆はそれぞれの町に伝わる祇園ばやしを打ち鳴らした。
昨年11月、市中心部の八町大路商店街の大火後、初めての巡行。商店街を通る山車を見た、市中央通り商店街振興組合の前田勝雅理事長(68)は「この音色を聞くといつも通りの臼杵の夏が来たと感じてほっとする。日常のありがたさと共に復興への思いが強まる」と話した。
祭りは13日の「渡御(おわたり)」で開幕。午後0時25分から同市の八坂神社から北海添の御旅所まで神体を移すみこしや、やり振り、山車などの行列が練り歩く。