大分県内ニュース
地域密着!郷土のニュースとスポーツ

「共生」へ健常者のスポーツを支援 難病のトレーナー近江さん 

 別府市馬場のスポーツトレーナー近江伸一さん(65)は難病の「脊柱靱帯(じんたい)骨化症」を患いつつ、県内のジュニア選手らをマッサージで支えている。普段は車椅子生活で、施術時はリスク承知で立ち上がる。「体の不自由な僕が健常者をサポートしている構図が面白いでしょ」。ラグビーワールドカップ(W杯)ではフランス代表の出張ケアも担当。驚くほど自然に受け入れられ、日本社会の「共生」との差を感じたという。
 「痛みは取れた?」。10月下旬の夜、施術ベッド3台が並ぶ自宅兼治療室で、近江さんが腰掛けたまま客の体をほぐした。必要に応じて椅子を下り、ベッドの上に立つ場面も。ゴルフ、バレーボール、ラグビー…。約5時間で市内外の高校、中学世代の子どもを中心に十数人が訪れた。
 出身地・神奈川県の強豪高校でバレーボールに打ち込み、20代で指導者の道へ。2008年大分国体に向けたチーム強化で来県後、トレーナー業にも乗りだし、今の治療室などでアマからプロまでケアしてきた。
 脊髄圧迫で足や首にしびれを覚え、10年前に病名を告げられた。「たっぷり3年は落ち込んだ」。へそから下に感覚・運動障害が広がる。何とか歩けるが、転倒などの衝撃でまひを起こす危険があり、車椅子は手放せない。
 施術中は「夢中で体のことは忘れる」が、週に数度は自身の体もマッサージやはり・きゅうでいたわる。「障害者が頑張る姿は称賛されるが、そのおかげで状態を悪化させることもある。そうした葛藤があることも知ってほしい」
 W杯の出張ケアはフランスチームの依頼で実現。30代後半の頃、青年海外協力隊で赴任したモロッコで女子バレーボール代表を率い、フランス語を覚えた実績などを買われたのではという。
 印象的だったのは選手が車椅子に気付いても大した反応を見せなかったこと。「健常者が障害者を支えるのも、その逆も当たり前のことなのかも。日本社会の『共生』もそこまで行き着かないと」。今後も現場に立ち、その実現の一助になりたいと考えている。
※この記事は、11月12日大分合同新聞朝刊10ページに掲載されています。
OPENCLOSE

速報ニュース

ニュースアクセスランキング 15時51分集計

ランキング一覧を見る

大分合同新聞ニュース絞り込み検索
記事の絞り込み検索が可能になりました!

期間選択
ジャンル選択
記事種別選択

大分県の天気

PM2.5情報
大分県の測定データ大分市の測定データ
大分合同福祉事業団
インターネットによる募金「かぼす募金」を受け付けています
大分合同新聞
販売店検索はこちら
お近くの販売店を今すぐ検索!
HELLO KITTY×大分合同新聞
おともだちカード
「大分合同新聞 HELLO KITTY」が大切なあなたの気持ちをお届けします。

全てのお知らせを見る

電子書籍のご案内

ページ上部へ戻る