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「人権問題、性知識の大切さ知って」元養護教諭の記録を本に 夫と教え子らが編さん

人権問題や性知識の大切さなどを子どもたちに伝え続けた佐藤益美さんの記録が本になった。「故人の夢を果たすことができた」と語る夫の豊利さん(左)と教え子の高津仁美さん=大分市曲
人権問題や性知識の大切さなどを子どもたちに伝え続けた佐藤益美さんの記録が本になった。「故人の夢を果たすことができた」と語る夫の豊利さん(左)と教え子の高津仁美さん=大分市曲

 【大分】人権問題や性知識の大切さなどを生徒に伝えてきた元養護教諭の記録が一冊の本になった。2年前に亡くなった大分市曲の佐藤益美さん(享年61)。生前つづっていた体験談などを、夫の豊利(とよとし)さん(67)と教え子の高津仁美さん(40)=同市敷戸西町=らが整理、編さんした。2人は「故人の夢を果たすことができた。本を見て、何か感じ取ってもらえたらうれしい」と語る。
 本のタイトルは「思春期ってオモシロイ! 歌って踊る養護教諭の“いのちの授業”」。
 益美さんは1982年に採用され、主に市内の中学校に勤務。生徒から性の悩みを打ち明けられる中で、命に対する思いを強めた。90年代初め、薬害エイズ訴訟の原告だった草伏村生さん(96年死去、ペンネーム)と出会ったのをきっかけに、エイズをテーマにした人権劇を生徒と毎年上演。ハンセン病患者を招いた講演会を開くなど、精力的に活動を続けた。
 2015年に肺がんが発覚。退職後の21年3月10日に亡くなった。
 10年ほど前に知り合った教育分野の編集者から、本の執筆を打診され、時間を見つけては、授業でのやりとりなどをノートに書き起こしていたという。
 豊利さんと高津さんは、益美さんの遺志を継ごうと21年秋から、仲間に声をかけながら本にまとめる作業を開始。部屋に保管していた数十冊のノートを読み、当時の写真や資料などを探し出した。
 本には、益美さんが授業の内容に合わせて歌を披露し、生徒と心を通わせる様子などを描いている。退職後に作成したエッセー49本も載せた。
 高津さんは益美さんに憧れ、養護教諭になった。「本は先生が生きた証し。多くの人に見てもらいたい。私も児童、生徒に大切なことを伝えていきたい」と思いを新たにした。豊利さんは「妻もきっと喜んでくれていると思う」と話した。

<メモ>
 本は県内の書店やインターネットで購入できる。A5判、200ページ。税込み1980円。問い合わせはエイデル研究所(03-3234-4641)

※この記事は、5月14日 大分合同新聞 7ページに掲載されています。

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