【Gateインパクト】五感で取材・「大分酒フェスタ」

県内各地の酒造が自慢の酒を振る舞った=27日夜、大分市府内町のトキハ会館、撮影・江藤成吾

 お酒好きにはたまらない催しが5月27日夜、大分市内で開かれた。その名も「大分酒フェスタ」。日本生命大分支社が2024年から始め、今回でもう4回目。記者も招かれ、取材した。いつもは見て聞いてペンを走らせるが、今回は味覚と嗅覚も総動員。ペン先の文字が蛇行していくほど中身の濃い内容となった。

 大分県内の「蔵元」が手がけるお酒ということで、日本酒と焼酎がメインにはなるのだが、参加15社が出した銘柄の中にはウイスキーやビール、リキュールもあった。一口に地酒といっても、その顔ぶれは実に豊かだ。

 参加者には、総勢29銘柄の名前とボトルの写真が載ったリストが配られた。それを見ながら、気になる銘柄を提供するブースに足を運ぶと、1銘柄につき1杯、いただける。一人一人、思い思いに巡ることができる。これはありがたい。

 午後6時に宴が始まった。最初の一杯は、やっぱりビール。ということで、ここも地元・大分にこだわり、サッポロビール九州日田工場で製造されたビールで乾杯。約400人が一斉にグラスを掲げる姿は迫力がある。そして、なんだかうれしい。これから、目くるめく地酒冒険の旅が、始まるのだ。

 記者も、興味を引かれる所から立ち寄っていくことにした。まずは久住蒸留所(竹田市久住町)のウイスキーから。「Green Dram」「シングルモルト久住 Kuju michi」の2種類をいただいた。日頃、ウイスキーは飲まない人間だが、その香りの豊かさ、味の深さに驚いた。一口含んだだけで、喉の奥までジーンと濃厚な味わいが広がってきた。これぞ、大人がたしなむお酒。ウイスキーの奥深さ、そして地酒のポテンシャルにあらためて気付かせてくださった久住蒸留所に、乾杯。

 さて、まだ序盤だ。目を引く所に行ってみよう。「ウスキショウガシュ」というネームが気になり、立ち寄った。赤嶺酒造場(臼杵市野津町)。地元のショウガを使ったリキュール。鼻の奥を爽やかな風が吹き通るような爽快感を堪能しながら、優しい味わいを喉に流し込んだ。これは夏本番にいただくとさらに合いそうだ。

 赤嶺酒造場はもう一つ「焙り焦がし麦 真政」という焼酎も提供していた。こちらもいただいた。むおお、先ほどのショウガシュとは打って変わって、ザ・焼酎。強い癖を放つプーンとした香りが、口の中いっぱいに広がる。これが「焙り焦がし」という工程のなせる技か。香りといえば芋焼酎をイメージしがちだが、麦焼酎もどっこい、個性を放っている。面白い。そして、素晴らしい。

 40代後半となり、昔のように浴びるようには飲めない。この辺りからは抑え気味に、しかし気になる所は後悔しないために攻めていくことにしよう。次、IDA FUJII BREWERY(豊後大野市千歳町)の「IDA LAGER」。これはクラフトビールだという。クラフトビールといえば、信州長野など他県の有名どころが幾つか思いつくが、大分にもしっかり実力派がそろっているということだ。

 グビリ。おお、何だこのシュワシュワーッとした爽快感は。大手メーカーのビールとも違う、もっとこの、一つ一つの泡がもっと小さいような、きめ細かさを感じる。これはおいしいぞ。ビール党の一員としては、この銘柄にぜひ一票を投じたい。

 銘柄リストを見渡していると、透き通ったブルーのボトルが印象的な「夏牟礼鶴」というお酒が目に留まった。夏の青空をイメージしているのだろうか、夏の到来より一足早く、その逸品を味わうことにした。麦焼酎。

 一言でいって、まろやか。とにかくまろやか。これは美味しい。説明がいらない、できない。これは、キュッキュッといける。夏を待たず、梅雨時季からしっかりいただきたい気分だ。

 名前つながりで調べていって、次を決めた。「宗麟 純米大吟醸」。小手川酒造(臼杵市臼杵)の清酒だ。こちらも一口含んだだけで、うまさがいっぱいに広がった。柔らかな甘みが舌を喜ばせる。後で取材手帳を読み直すと、「もう一杯飲みたい」と書き込んでいた。

 さて、そろそろお開きの時間だ。この後も数銘柄をいただき、目くるめくひとときとお別れすることになった。宴会場にあふれるどの顔ぶれも笑顔、笑顔、笑顔。酒は百薬の長というけれど、もっと素晴らしいのは、人と人とを結び付けてくれる不思議な力なんじゃないだろうか。

 何よりうれしいのは、こうしたお酒の素晴らしさを発信しているのが、われらが九州は大分県にある蔵元さんということだ。こんなにおいしくて個性的な商品たちが、もっともっと世の中に知られてほしい。

 宴の冒頭で、大分酒フェスタの発案者でもある日本生命大分支社の十河健二支社長がこう話した。「一つでも多くの銘柄が、日本に世界にはばたいてほしい」。いや全く同感だ。

 日本生命大分支社によると、10月にも催しを計画しているらしい。大分の蔵元、地場企業のポテンシャルに光を当てるこうした企画は、どんどん開いてほしい。

 最後に、今回ブースを出した全蔵元の名前を紹介する。ぜひ参考にしていただきたい(名前は五十音順)。
 
〇赤嶺酒造場(臼杵市野津町)
〇大地酒造(佐伯市上浦)
〇萱島酒造(国東市国東町)
〇久家本店(臼杵市江無田)
〇久住蒸溜所(竹田市久住町)
〇クンチョウ酒造(日田市豆田町)
〇小手川酒造(臼杵市臼杵)
〇サッポロビール九州日田工場(日田市高瀬)
〇三和酒類(宇佐市山本)
〇FUJII BREWERY(豊後大野市千歳町)
〇藤居醸造(豊後大野市千歳町)
〇ぶんご銘醸(佐伯市直川)
〇南酒蔵(国東市安岐町)
〇牟礼鶴酒造(豊後大野市朝地町)
〇Monkey Mountain(大分市府内町)
〇八鹿酒造(九重町右田)

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