弁護側は、「被告の車は車線を逸脱することなく、真っすぐ直進できていた」ことを理由に、危険運転致死罪では処罰できないと訴えた。過去の裁判例に則って、過失運転致死罪で裁かれるべきだと主張した。
危険運転罪の成立要件である「進行を制御することが困難な高速度」という文言が意味する内容について、2001年の立法時から定着した解釈があると強調した。
「道路をきちんと進行していたかどうかで成否が決まる」―とする考え方で、「被告の車が蛇行するなど、制動を失っていた証拠はない」と述べた。
検察側の走行実験による立証に対し、「使った車は被告の車より性能が低い。実験したドライバーも警察官であり、故意にハンドル操作を増やすことが可能だった」と反論した。
妨害運転についても「あおり運転を重く処罰するための条文であり、今回の事故には適用されない」とした。
一審では、市民から選ばれた裁判員らに向けて「危険な運転と非難されることに異論はない。こんな事故が過失で済まされるのかと、素朴な疑問を持つかもしれないが、これが法律の正しい解釈。適切な処罰をしてほしい」と訴えた。