62年前の1964年(昭和39年)1月30日の大分合同新聞夕刊社会面に「奥さん、損をしています 半分以上が目方(めかた)不足」という記事が載っていた。スーパーや小売店で、砂糖、コメ、みそ、肉、シイタケなどが、実際の表示より少ないグラム数で売られているケースが散見され、国の指示で大分県計量検定所が店舗に調査に入ったという内容だ。
多くの店は「はかり」が狂っていたと言うが、果たしてそれは本当だろうか。実際には適当に重さをごまかしていたんじゃないかと疑ってしまう。奥さま方はこの話を聞いて「さばを読むなんて、頭にくるワ!」と、さぞカンカンだったに違いない。
芸能人や格闘家らが、年齢、身長、体重などをごまかしている疑惑がある時、「あの人は絶対、さばを読んでいるよね」と言う。では、その「さば読み」「さばを読む」は、一体何に由来しているのだろうか。
日本語大辞典(講談社)や広辞苑(岩波書店)によると、魚のサバが腐りやすいことが根底にあるようだ。このため、サバが何匹かを数える時は急いで数を数えることになる。しかしその際に「しばしば数をごまかすことが多い」という事象があり、これを捉えて「利益となるように数をごまかして言う」場合に使われるようになったのだそうだ。なるほど。
今回の「あのころに卍固め」放送2日後の2月1日、大分市金池南のJCOMホルトホール大分で九州プロレスの大会があり、とんでもない「さば読み」のレスラーが所属していることを思い出した。筆者の知る限り世界一の「さば読み」である。
リングネームは「阿蘇山」。この日、メインイベントの6人タッグマッチ(3人対3人で対戦する試合)に出場し、地響きが鳴るようなパイルドライバー(逆さにした相手選手を、自身の体重を乗せて脳天からマットに落とす技)で仕留めた。「阿蘇山」は山をかたどった覆面をかぶる巨漢レスラーで、ノッシノッシと歩き、重量級の技を仕掛ける勇姿は、まさしく躍動する巨大カルデラだ。身長は何と1592メートルというから驚く。熊本の、あの阿蘇山の標高と同じじゃないか。
真に受けて「そんなのウソだ!」なんてセンスのないことを言う人はいないと思うが、それだけデカい選手だというマット界的アピールである。レスラーは怪物感を出してこそナンボなのだ。
【あのころに卍固め】
JCOMの昼の情報番組「ひるドキ!」の金曜日放送のコーナー。大分合同新聞社の公式ユーチューブチャンネル「大分合同新聞oitatvcom」でも同じ内容を配信中。